明豊ファシリ Research Memo(7):2015年3月期第2四半期は増収減益決算

2015年1月9日 18:45

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記事提供元:フィスコ


*18:47JST 明豊ファシリ Research Memo(7):2015年3月期第2四半期は増収減益決算

■業績動向

(1)2015年3月期第2四半期累計業績

11月10日付で発表された2015年3月期第2四半期累計の業績は、売上高が前年同期比1.8%増の3,665百万円、売上総利益が同0.3%増の705百万円、営業利益が同28.6%減の174百万円、経常利益が同27.8%減の147百万円、四半期純利益が同25.9%減の93百万円と増収減益決算となった。ただ、期初の会社計画に対しては売上高、利益とも上回っている。

建築コストの高騰により、発注者側のコスト意識が高まるなかで、明豊ファシリティワークス<1717>のCM事業に対する認知度も上昇し、社内で管理する売上粗利益(売上高−工事費など社内コスト以外の売上原価)ベースでの受注高は前年同期比2割増と過去最高を更新、好調に推移した。売上高に関しては、アットリスク方式の出来高が減少したため、伸び悩んだ格好となっているが、売上高粗利益ベースでは10%以上の成長になったとみられる。なお、業績表にある売上総利益に関しては0.3%増にとどまっているが、この差は社内コスト(人件費等)の増加によるものと考えられる。

営業利益が減益となった要因は、販管費、なかでも人件費の増加が主因となっている。販管費が前年同期比で72百万円増加したが、このうち62百万円が人件費の増加分で占められている。業績が計画を上回ったこともあり、第4四半期に積み増す予定だった賞与引当金を第2四半期に先行計上したほか、受注拡大に対応するため従業員の増員を積極的に進めたことによるものである。2014年9月末時点での従業員数(役員・契約・派遣社員含む)は、215名と前年同月比で16名の増加となっている。なお、下期も10名近くの増員を予定している。事業別の動向は以下のとおり。

○オフィス事業
オフィス事業の売上高は前年同期比1.2%減の2,244百万円、セグメント利益は同15.8%減の152百万円となった。大手企業を中心とした事業再編の動きが継続しており、グループ企業の統廃合や地方拠点の集約化によるオフィス移転の需要が拡大している。特に同社においては、オフィスビル新築同時入居など、迅速性が求められる案件やICT拠点など難易度の高い事業所移転などの案件が増加した。

売上高は若干の減収となったものの、これは工事原価を含むアットリスクCM案件の出来高が減少したことによるもので、実質ベースでは順調に拡大している。また、セグメント利益に関しては人件費増が要因となって減益となっている。

○CM事業
CM事業の売上高は前年同期比11.8%減の826百万円、セグメント利益は0.5百万円の損失となった。労務費や資材の高騰による建築予算超過に悩まれた顧客からの引き合いや、新規建設プロジェクト案件などが増加したほか、バブル期に建設された建物の老朽化による空調・電気設備の更新案件なども民間、公共機関など幅広い顧客から受注を獲得した。

主な公共分野での受注案件としては、2014年4月に大阪府立大学の学舎整備事業を5年連続で受注したほか、5月に千葉県市原市の防災庁舎建設、9月には大阪府立環境農林水産総合研究所建て替え整備工事などのCM業務を受注している。

売上高に関してはオフィス事業同様、アットリスクCM案件の出来高が減少したことが減収要因となっている。特に、ここ2年ほど同事業の売上高の7割程度を占めていた大阪府立大学プロジェクト関連(アットリスクCM案件)が2年連続で減収となったことが影響しており、同案件を除いたベースで見ると、前年同期比2ケタ増ペースで拡大している。セグメント利益に関しては人件費の増加を主因に減益となったが、これも一時的な落ち込みであり、下期以降は回復に転じる見通しとなっている。

○CREM事業
CREM事業の売上高は前年同期比51.7%増の593百万円、セグメント利益は同235.9%増の23百万円と順調に拡大した。同社のCM手法を使った工事コストの削減実績が評価され、金融機関や流通企業など全国に多数の拠点を有する既存顧客からの、拠点施設の新築・改修案件や基幹設備の老朽化による空調・電気設備の更新需要が増加している。

顧客が保有する多数の施設をデータベース化し、集中管理を行うことで、円滑かつ効率的に顧客の保有資産の事業性を高める同社のマネジメント能力が、顧客からも着実に評価を高めている。CREM事業の特性として複数年プロジェクトにわたる事業となるため、今後も安定した成長が見込まれている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《FA》

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