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プラザクリエイト Research Memo(6):合弁事業の市場は写真プリントショップ市場の10倍という可能性
*18:29JST プラザクリエイト Research Memo(6):合弁事業の市場は写真プリントショップ市場の10倍という可能性
■プリント事業の概況
(6)VPJの現状と見通し
蘭Cimpress社※との合弁事業、ビスタプリントジャパン(VPJ)はおおむね順調のようだ。VPJは今年4月に千葉県木更津市に4,300坪の工場用地を取得し、国内の本格事業展開に向けて着工済みである。ただし、建設労働者の不足や資材費高騰の影響で、建築の工程は計画に対して数ヶ月遅れという状況にあるようだ。工場建設が発表された段階では2015年央の完成が予定されていたが、工場完成が2015年秋頃にずれ込む可能性が出てきている。
※2014年11月、Vistaprint N.V.よりCimpress N.V.に名称変更
VPJのビジネス面では実験的に首都圏の店舗へのビスタプリントコーナーの設置を進めていたが、今第2四半期中には首都圏以外にも展開し、現在は13店舗でビスタプリントを体験できるようになっている。しかし国内工場が建設中のため受注分はメルボルン工場で対応し、そのため納期も最低1週間かかり、他社の類似サービスと比較してかなり見劣りがするような状況である。そのため、同社自身はビスタプリントのプロモーション活動をほとんど行っていない。商材もマグカップやTシャツなど蘭ビスタプリントの既存ラインナップが中心で、プラザクリエイトの役回りとなっている日本市場独自のものはまだ投入されていない。
そうした状況にもかかわらず、実験店舗においてはビスタプリントコーナーからの売上高の上乗せ分が5%程度という結果が出ている。弊社では、この5%という数字は現時点の商品ラインナップ、納期、認知度などの諸要素を考えた場合、かなり好調な数字と評価できると考えている。商品ラインナップが揃い、国内工場の完成で納期が一気に短縮され、さらに適切な広告宣伝が行われて認知度が高まれば、売上押し上げ効果は10%を超えてくるものと期待している。VPJが対象とする市場規模は、写真プリントショップビジネスの市場規模の10倍という試算もあり、プリントショップの月商に対して10%の上乗せという期待値は、決して過度なものではないと言えよう。
VPJはプラザクリエイト<7502>にとって、プリントショップの商材の拡充といったレベルにとどまらない潜在成長性を有すると弊社では考えている。具体的には、現状は主として個人消費者を対象とする「パレットプラザ」「55ステーション」が、B to Bに進出できるということだ。この領域には数多くの既存業者が存在しているが、必ずしもユーザーのニーズに応えきれていないのも事実だ。その要因は、ベースとなる商材の選択肢、料金、納期、クオリティ、EC対応など様々だ。VPJはそれらの要素を高次元でバランスさせてユーザーニーズに応えてきた実績があり、プラザクリエイト自身、そこを強く意識して今後の事業展開を計画している。VPJの木更津工場も、B to B本格進出を完全に視野に入れて設計・建設がされており、設備能力の面でB to B進出の障害はないと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》
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