ミロク情報サービス Research Memo(6):有利子負債の圧縮により財務体質の改善が進む

2015年1月8日 17:57

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記事提供元:フィスコ


*17:57JST ミロク情報サービス Research Memo(6):有利子負債の圧縮により財務体質の改善が進む
■決算動向

(2)財務状況

ミロク情報サービス<9928>の2014年9月末の財務状況について見ると、総資産残高は前期末比1,039百万円減少の18,344百万円となった。主な増減要因は、利益増によって現預金が501百万円増加したほか、減少項目としては投資有価証券で1,064百万円、在庫で154百万円、ソフトウェア資産で163百万円それぞれ減少した。

特に、投資有価証券の減少に関しては、同社が保有するビジネスパートナーの株価が下がったことによる。当該企業が2014年1月に上場し、株価が大きく上昇したことで、3月末時点の有価証券評価額が大きく増加したが、その後、株価が下がりこの評価額が減少したことが投資有価証券の減少要因となっている。ちなみに、2013年12月末時点での純資産に含まれる有価証券評価差額金は146百万円であり、これが2014年3月末時点では1,807百万円、9月末時点では1,009百万円となっている。なお、現在の株価水準は出資当時よりも高い水準にあり、今後売却損失などが発生するリスクはほとんどない。

一方、負債側を見ると、有利子負債が短期・長期合わせて前期末比310百万円減少したほか、仕入債務や未払法人税などの減少もあり、合計では872百万円減少の6,126百万円となった。また、純資産については利益剰余金が338百万円増加したほか、自己株式を使ったストックオプションの行使で自己株式保有数が減少(+309百万円)したものの、前述した有価証券評価差額金の減少(▲798百万円)により、合計では166百万円減少の12,218百万円となった。

ここ数年の収益拡大に合わせて、有利子負債の圧縮を進めてきたことで、ネットキャッシュ(現預金+短期有価証券−有利子負債)は2014年9月末時点で3,000百万円を超える水準にまで拡大した。また、自己資本比率で見ても2012年3月末の55.8%から2014年9月末は66.4%まで右肩上がりで上昇を続けており、収益成長とともに財務体質の改善が進んでいることがうかがえる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《FA》

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