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ハピネット Research Memo(6):キャラクター関連好調で通期も大幅増益を目指す
*18:28JST ハピネット Research Memo(6):キャラクター関連好調で通期も大幅増益を目指す
■業績動向
(2)2015年3月通期の業績予想
ハピネット<7552>の2015年3月通期の業績は、下表のように売上高215,000百万円(前年比3.9%増)、営業利益5,000百万円(同28.6%増)、経常利益5,000百万円(同27.6%増)、当期純利益3,500百万円(同41.9%増)が予想されている。
●組織体制の変更
2015年3月期の全社基本方針として、「メーカー業の基盤確立と中間流通業の基盤を進化させ、更なる成長を目指す」を掲げ、これを実行するための組織変更を行った。具体的には、中間流通業を統括する第1事業本部とメーカー業を統括する第2事業本部を設置し、それぞれに担当役員を配置した。この目的は、メーカー業が独立性を持ってヒット商品を生み出せる体制を構築するためである。
各事業本部の基本方針として以下を掲げている。
中間流通業:環境変化に柔軟に対応し、更なる市場シェア拡大、利益確保を図る。
メーカー業:同社グループからヒット商品を生み出せる事業体制を新たに構築する。
●各事業部門の施策
各事業部門の2015年3月期の具体的な施策は以下のようになっている。
(a)玩具事業
セグメント売上高は85,000百万円(前期比10.6%増)、セグメント利益は3,700百万円(同36.5%増)を計画している。
現在好調を維持している「妖怪ウォッチ」の関連玩具として「DX妖怪パッド」や「DX妖怪ウォッチタイプ零式」のほか、仮面ライダードライブの関連玩具、「ケンダマクロス」、「TAMAGOTCHI 4U」など、バンダイが発売する人気キャラクター商品を中心に、年末商戦に向けて積極的に拡販を図る。
さらに玩具部門のメーカー業として初めての挑戦となるテレビアニメ連動のキャラクター商材「テンカイナイト」の事業については、小学館グループとタッグを組み、玩具を主軸として映像DVD、カプセル玩具、ゲーム、周辺アクセサリーなどでグループシナジーを活かしてクリスマス商戦の販売最大化を目指す。また、オリジナル商品である「ローリングファントム」「マラカスdeポップコーン」「ピタゴラゴール1号」なども、多くのTV番組で紹介されており、今後も積極的にメディアを使って拡販を進める計画だ。
(b)映像音楽事業
セグメント売上高は42,000百万円(同2.2%減)、セグメント利益は400百万円(同30.0%増)を予定している。取引口座の獲得によって売上シェアの拡大を図る一方で、オリジナル・独占販売商品の取扱いを増やして利益率のアップを目指す。
メーカー事業においては、出資作品の「海月姫(くらげひめ)」や幹事作品の「ピース オブ ケイク」に加えて、同社独占販売作品である「ハミングバード」や「フライトゲーム」などの販売に注力していく予定。
(c)ビデオゲーム事業
セグメント売上高は64,000百万円(同0.6%増)、セグメント利益は400百万円(同406.3%増)を計画している。トイズユニオン(株)と(株)モリゲームズの合併により誕生した(株)マックスゲームズのスケールメリットを活かし、さらに在庫を共有化することで余剰在庫を圧縮し、将来の在庫処分を削減する。物流面においても統合によりコスト削減を進める。
一方で商品面では、年末に向けて「妖怪ウォッチ2 真打」、「ポケットモンスター オメガルビー/アルファサファイア」、「大乱闘スマッシュブラザース for Wii U」などの期待商品が発売されており、これらの販促をさらに強化する方針だ。また自社発売商品としては、「ドーリィカノン」、「12歳」などを発売したが、その後も話題作を継続的にリリースする予定である。
(d)アミューズメント事業
セグメント売上高24,000百万円(同2.2%増)、セグメント利益1,800百万円(同12.3%減)が予想されている。2014年3月期のセグメント利益が前期比62.4%増で絶好調であったこと、玩具自動販売機やカードゲーム機の購入などの投資を2014年3月期以上に行う予定があることなどから、通期では控えめな予想となっている。
同事業における効率化の施策として、引き続き「単品データ取得システム(特許申請中)」の設置を拡大するが、同システムの内容もさらに進化している。従来のシステムでは、各機器からの販売情報をパソコンで取得し、販売数や在庫状況の遠隔での把握、データに基づく滞留商品の判断が可能であった。新しい機能として、スマートフォン上で、1)地図上のピンの色で在庫状況を把握、2)営業担当が状況判断しやすいように商品カテゴリー別の展開情報を表示、3)さらに細かい情報を知りたければ単品別の消化実績を確認、などが可能となった。これにより商品入れ替えの効率性、収益性を高める計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)《FA》
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