ハピネット Research Memo(5):「妖怪ウォッチ」の大ヒットで大幅な増収増益

2015年1月7日 18:23

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記事提供元:フィスコ


*18:23JST ハピネット Research Memo(5):「妖怪ウォッチ」の大ヒットで大幅な増収増益

■業績動向

(1)2015年3月期の第2四半期業績概要

●損益状況

ハピネット<7552>の2015年3月期の第2四半期累計業績は、売上高93,437百万円(前年同期比6.9%増)、営業利益2,362百万円(同52.3%増)、経常利益2,413百万円(同52.8%増)、四半期純利益1,814百万円(同31.9%増)となった。ビデオゲーム事業の不振があったものの、バンダイのキャラクター商材である「妖怪ウォッチ」や「仮面ライダー鎧武/ガイム」などのヒットにより、玩具事業とアミューズメント事業が好調に推移したことから大幅増益を達成した。

売上原価に在庫の処分損863百万円(前年同期841百万円)を計上したが、主力の玩具事業を中心に売上高が好調に推移し、在庫効率が改善したことから売上総利益率は12.9%(同12.3%)へ改善した。販売管理費の増加も売上高の伸び以下となったことから、営業利益、経常利益は大幅増益となった。特別損失として退職給付制度改定損379百万円、土地・建物等の減損125百万円等を計上したが、四半期純利益は前年同期比31.9%増となった。

セグメント別売上高及び営業利益は表のとおり。

各部門の状況は以下のとおりであった。

(a)玩具事業

セグメント売上高は39,479百万円(前年同期比23.8%増)、営業利益(全社消去前)は1,663百万円(同195.2%増)となった。バンダイのキャラクター商材である「妖怪ウォッチ」が大ブームとなっていることに加え、「仮面ライダー鎧武/ガイム」も好調であったことから売上高、利益ともに好調に推移した。

(b)映像音楽事業

売上高は21,376百万円(同0.4%増)、営業利益は145百万円(同61.4%減)となった。インターネット配信等の普及によりパッケージ市場全体が低迷する中、「アナと雪の女王」などのヒットにより売上高は堅調に推移したが、前年同期に比べて利益率の高いオリジナル作品に目立ったヒット作がなかったことなどから利益は低調な結果となった。

(c)ビデオゲーム事業

売上高は19,939百万円(同13.5%減)となり、営業損益は61百万円の損失(前年同期34百万円の利益)となった。2013年7月にゲーム卸大手の一角であるトイズユニオンを子会社化したが、ソフト配信やソーシャルゲームの影響によるパッケージ市場全体の低迷により、売上高は前年同期を大幅に下回った。利益面では、子会社の統合費用約60百万円を計上したことなどもあり営業損益は赤字となった。

(d)アミューズメント事業

売上高12,643百万円(同13.4%増)、営業利益1,264百万円(同6.2%増)と好調であった。キッズカードゲーム機でも「妖怪ウォッチ」がヒット商材となったことに加え、玩具自動販売機の商材でも「仮面ライダー鎧武/ガイム」や「妖怪ウォッチ」が好調に推移したことから前年同期比で増収増益となった。

●財政状況

2015年3月期の第2四半期末の財政状況は下表のようになった。流動資産は54,439百万円(前期末比7,413百万円増)となったが、主に売掛債権の増加6,063百万円、棚卸資産の増加1,152百万円などによる。売掛債権の増加は事業の好調を反映したものであり、棚卸資産が増加したのは年末商戦に向け在庫を積み増したためである。固定資産は7,546百万円(同691百万円増)となったが、主に税効果による繰延税金資産の増加626百万円による。その結果、第2四半期末の総資産は61,985百万円(同8,105百万円増)となった。

負債は34,628百万円(同6,443百万円増)となったが、主に買掛債務の増加6,441百万円による。また四半期純利益の計上により純資産は27,356百万円(同1,661百万円増)となった。

●キャッシュフローの状況

2015年3月期の第2四半期のキャッシュフローは下表のとおりであった。営業活動によるキャッシュフローは2,325百万円の収入であったが、主に税金等調整前純利益の計上1,894百万円、減価償却費184百万円、売上債権の増加による支出6,062百万円、棚卸資産の増加による支出1,152百万円、仕入債務の増加による収入6,441百万円などによる。投資活動によるキャッシュフローは201百万円の支出であったが、主に有形・無形固定資産の取得による。財務活動によるキャッシュフローは323百万円の支出となったが、主に配当金の支払いによる支出305百万円による。

この結果、2015年3月期の第2四半期の現金および現金同等物は1,799百万円の収入となり、第2四半期末残高は11,795百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)《FA》

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