日立と新神戸電機、伊豆大島でハイブリッド大規模蓄電システムの実証開始

2014年12月24日 13:24

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伊豆大島のハイブリッド大規模蓄電システムの運用イメージ図(日立製作所の発表資料より)

伊豆大島のハイブリッド大規模蓄電システムの運用イメージ図(日立製作所の発表資料より)[写真拡大]

 日立製作所と新神戸電機は24日、東京電力と、東京電力管内にある東京都伊豆大島の電力系統に、日立が新神戸電機と開発した1.5MWハイブリッド大規模蓄電システムを接続し、ピークシフトや短周期変動抑制などの機能および寿命を検証する実証試験を2015年度から開始することに合意したと発表した。

 日立と新神戸電機は、2011年よりNEDOの助成事業にて、蓄電システム関連技術の性能向上に取り組んできた。そして、今回独立した電力系統を持つため再生可能エネルギーの大量導入時に系統への影響が大きい伊豆大島で、系統の安定化に貢献するために、これらの技術を適用した低コスト・長寿命・安全なハイブリッド大規模蓄電システムの実証試験を2015年度より開始する。この実証試験では、ピークシフトや短周期変動抑制の機能およびその寿命など、ハイブリッド大規模蓄電システムの有効性について検証・評価を行う予定である。

 両社のこれまでの研究の成果としては、ピークシフトやピークカットに対応するための電力貯蔵に有利な「高入出力・長寿命鉛蓄電池」と、電圧および周波数の短周期変動を抑制するのに有利な「リチウムイオンキャパシタ」を組み合わせ、最適な電流の入出力制御技術を適用することで、短時間で大電力の充放電が可能なハイブリッド大規模蓄電システムの構築がある。これにより、出力変動の緩和や余剰電力の再利用、周波数を安定化した。

 また、高入出力・長寿命鉛蓄電池電池の構造や材料の改良を行い、入出力特性を向上させるとともに、運用時に定期的に実施するリフレッシュ充電の最適化などを図ることで、さらなる高入出力化(現行高入出力品比1.7倍)を達成している。同時に長寿命化(同1.2倍)を実現する見通しも得ているという。

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