伊藤忠エネクス Research Memo(1):M&Aや事業提携に対して積極的な「攻めの経営」

2014年12月15日 16:55

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記事提供元:フィスコ


*16:55JST 伊藤忠エネクス Research Memo(1):M&Aや事業提携に対して積極的な「攻めの経営」

伊藤忠エネクス<8133>は伊藤忠商事グループ内でエネルギー分野の中核を担う、エネルギー商社。産業向けの燃料販売から最終消費者向けのガソリン、LPガスや各種機器類の販売まで、エネルギーをキーワードに、幅広く事業を展開している。

同社はM&Aや事業提携に対して従来から積極的で、いわゆる「攻めの経営」をモットーとしている。同社の「攻めの経営」は、すべての事業部門において、大規模なものから小規模のものまで、様々な施策がなされているが、そのなかでも2015年3月期において注目された動きは、自動車ディーラー事業を手掛ける大阪カーライフグループ(OCG)の買収であり、新車販売から、車検・中古車販売といったメンテナンス事業も手掛けている。OCGは大阪府下唯一の日産系有力ディーラーだ。サービスステーション運営を中心にカーライフ事業を手掛ける同社と相関が強く、連結収益への直接貢献と、他の自動車関連事業へのシナジー効果の両方が期待される。

同社の「攻めの経営」のもう一つの注目点は電力・ユーティリティ事業だ。2016年にも到来が予想される電力小売りの全面自由化に備えて、自社の発電能力の増強に加えて、他社とのアライアンス強化を進めている。すでに王子ホールディングス<3861>との合弁会社設立が発表されているが、現在はここに北海道ガス<9534>が加わって北海道をターゲットにすることが検討されている。また、一部の報道によれば、電力会社と合弁での石炭火力発電所の新設も取りざたされている。

足元の事業環境は決して順風とは言えない。2015年3月期上期(2014年4月-9月)は、消費増税、天候不順、原油価格の下落、急激な円安などの外部要因の影響で、同社が扱う石油製品類は全般に需要量が減少した。同社の収益構造は、価格と数量の両方の影響を受けるが、利益に対しては数量の影響がより大きく出る傾向にある。それにも拘わらず、同社の今上期決算は実質的には全利益項目で増収増益となった。この大きな要因として上記の「攻めの経営」の効果がある。

■Check Point
・事業構造の変革の原動力はM&Aで、成長の歴史そのもの
・前年同期の特殊要因による反動減を考慮すれば実質的に増収増益
・冬季の暖房需要が強いため下期偏重型の季節性を有する

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》

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