最先端の木造住宅向け制振装置に活かされる、二輪車用の技術とは

2014年12月7日 15:58

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記事提供元:エコノミックニュース

二輪車のサスペンション、船外機の油圧機器などの技術を応用して開発された最新の木造建物用制振装置「ダイナコンティ」。地震による建物の傾きを2分の1程度にまで低減する。

二輪車のサスペンション、船外機の油圧機器などの技術を応用して開発された最新の木造建物用制振装置「ダイナコンティ」。地震による建物の傾きを2分の1程度にまで低減する。[写真拡大]

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 日本は世界的にみても稀な地震の多発国だ。地球の表面上にある巨大な10個のプレートの内、4つものプレートが日本列島でぶつかり合っている世界に類のない地域で、過去90年間に世界中で発生しているマグニチュード7以上の地震の、実に10%が日本で起きているという。ところが地震多発国であるがゆえに、日本人は悪い意味で地震に慣れてしまっていた節がある。とくに地震が多発する地方では、震度3以下の弱震などは日常茶飯事で敏感に反応するようなものではなかった。しかし、2011年に未曾有の大被害をもたらした東日本大震災によって、日本人は地震の脅威を再認識することとなった。そして震災以降、地震に対する警戒心と防衛意識は高まりを見せている。

 日本に住まう以上、地震に無関心で暮らすことは不可能だ。全国どこにいても、地震から逃れることは出来ない。いつ何時でも、地震が起こるかもしれないということを想定して生きていかねばならないのだ。それはある意味、日本人の宿命ともいえるだろう。ただ、地震から逃れることはできなくても、地震に備えることはできるし、もしも大地震に見舞われたとしても、被害を最小限に止める努力はできる。その最も顕著な例として、震災以降に立てられた建築物の多くが、地震対策を考慮した構造になっていることが挙げられる。商業ビルなどは当然のこと、一般の住宅でも耐震や免震に配慮した住宅が人気を集めているようだ。

 たとえば、「第1回 ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック大賞」を受賞している一条工務店の「夢の家」は、省エネ性能に長けているだけでなく、軸組構法と外壁パネルを融合させ、強靭な箱型に仕上げる6面体モノコックで、柱・梁から土台から構造用合板で一体化する同社独自のI-HEAD構法を採用し、高い耐震性能を実現している。

 また、大手住宅メーカー以外からも、耐震、制震、免震市場に参入する企業が現れている。静岡県浜松市に本社を置く建築資材の販売会社オーディーエムもその一社で、木造建物用の制振装置「ダイナコンティ」を今年春から販売している。

 同製品は、建物にかかる地震の振動エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換して揺れを低減させる「制振」装置で、同社調べによると、約130平米の住宅にダイナコンティを12~14本取り付けることで、オイルダンパーの作用によって、地震による建物の傾きを2分の1程度にまで低減できるという。

 木造建築の教授をはじめとする専門家をチームに招いて産学連携で開発を進めてきた同社の自信作で、製造はヤマハ発動機のグループ会社、ヤマハモーターハイドロリックシステム(以下YHSJ)が請け負っている。YHSJは二輪車のサスペンションや船外機の油圧機器、また自動車の快適性や操安性の改善を狙った「パフォーマンスダンパー」を開発・製造する会社で、緩衝装置で培った技術力を初めて住宅分野向け製品として展開したものとなっている。

 地震に対する備えは、どれだけやっても過ぎることはない。人命に関わることだから尚更、「ダイナコンティ」のYHSJのように、異業種からも高い技術力をもった企業が続々と参入し、世界一地震に強い住宅づくりを目指して欲しいものだ。(編集担当:藤原伊織)

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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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