日立、電気自動車の走行可能距離を2倍にするリチウムイオン電池を開発

2014年11月16日 18:21

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日立製作所が開発したエネルギー密度335Wh/kg(従来比2.6倍)のリチウムイオン電池の技術概要を示す図(同社発表資料より)

日立製作所が開発したエネルギー密度335Wh/kg(従来比2.6倍)のリチウムイオン電池の技術概要を示す図(同社発表資料より)[写真拡大]

 日立製作所は、エネルギー密度335Wh/kg(従来比2.6倍)・出力密度1600W/kgで、電気自動車の走行可能距離を約2倍にするリチウムイオン電池を開発した。

 電気自動車は、CO2を排出しない環境対応自動車として期待されているものの、普及拡大のためには、リチウムイオン電池の高エネルギー密度化・高出力化、そして長寿命化による走行距離の伸長が求められている。

 今回、日立製作所は、電極構造を3次元で可視化できる技術を開発し、リチウムイオンの移動の特性を明らかにし、活物質の分布を最適化することで高出力を実現した。さらに、負極には、強固に結合させる高強度バインダを用いることで寿命を低下させずに、リチウムイオンを多く充放電できるシリコン系材料を実現し、正極には表面に酸化物を被覆することで高電圧化においても長寿命化させることに成功した。

 今後は、開発した要素技術を用いたリチウムイオン電池を2020年頃に実用化することを目指し、研究開発に取り組んでいくと発表している。

 なお、この内容は、11月19日から京都で開かれる「第55回電池討論会」で発表される予定となっている。

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