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京大、養育経験が母親の脳活動パターンに影響を与えることを明らかに
参加者は、まず触覚刺激に触れ、その直後に「触覚語(ふわふわ等)」を表現した音声刺激を聞いた。最後に、直前に聞いた音声刺激と一致する単語を、ボタン押しにより選択した。この一連の流れの脳活動を、脳波計により計測した(京都大学の発表資料より)[写真拡大]
京都大学の明和政子教授・田中友香理大学院生らによる研究グループは、1~2歳児を養育中の母親は、触覚語(つるつる、ふわふわ等)に対して脳の活動が敏感になることを明らかにした。
視覚・聴覚・触覚などを積極的に介した養育行動を行う動物は、ヒトだけであることが知られている。しかし、養育行動が、親の行動や脳にどのような影響を与えるのかについては分かっていなかった。
今回の研究では、1~2歳児を養育中の母親と養育経験のない女性17名ずつを対象に、触覚語を聞いた際の脳活動を計測する実験を行った。その結果、耳で聞いた触覚語と実際に触れた感覚が一致しているかどうかに対して、養育中の母親のみ明確な脳活動の差が見られた。また、日常的に触覚語の使用頻度が高いと回答した母親ほど、脳活動の差が大きくなることも明らかになった。
研究メンバーは、「本研究は、子どもが育つ条件を、子どもだけでなく、子どもを育てる側も含めて(セットで)考えることの重要性を示したものです。こうした成果を蓄積することで、養育者の心身にとって真に適切な支援システムの開発、それを社会に実装するための挑戦をこれからも続けていきたいと思っています」とコメントしている。
なお、この内容は10月17日の「Scientific Reports」オンライン版に掲載された。
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