岡山大、体内時計に関わる新たな物質を発見

2014年9月11日 20:43

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今回の研究で明らかになった脳内の時計細胞からの時間情報伝達モデルの概要を示す図(岡山大学の発表資料より)

今回の研究で明らかになった脳内の時計細胞からの時間情報伝達モデルの概要を示す図(岡山大学の発表資料より)[写真拡大]

  • 左:ショウジョウバエの脳内には約150個の時計細胞(神経細胞)が存在する。右:時計細胞の神経伝達物質PDFとITP(本研究)のハエ脳内の発現パターン(岡山大学の発表資料より)

 岡山大学の吉井大志准教授らによる研究グループは、ショウジョウバエの体内時計に関わる新たな物質を発見した。

 生物の体内には、概日時計と呼ばれる1日の長さを測る体内時計が備わっているが、脳内の時計細胞で作られる時間情報がどのように全身に伝わるのかは明らかになっていなかった。

 今回の研究では、キイロショウジョウバエを用いて概日時計の出力物質の探索をおこなったところ、ITPと呼ばれる神経ペプチドが概日時計の時間情報を運ぶ新しい出力因子であることが分かった。

 今後は、体内時計の乱れが原因と考えられる睡眠障害・うつ病・肥満などの治療に役立つと期待されている。

 なお、この内容は「Journal of Neuroscience」に掲載された。

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