【鈴木雅光の投信Now】投資信託、償還の罠

2014年8月6日 10:38

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  QBRというリサーチ会社の調査によると、8月1日現在で償還が予定されている投資信託の本数は、16本だ。償還とはファンドが解散となり、「基準価額×口数」で計算された償還金が戻ってくることである。

  運用したお金が戻ってくるのだから目出度し、目出度しと言いたいところだが、償還には大きな罠があることを忘れてはならない。

  第一に、償還される際は、償還日時点の基準価額で償還されること。その時の基準価額が、自分の購入時点の基準価額よりも安くなっている場合は、償還差損が生じる。預貯金であれば預けた元本に利息が上乗せされて戻ってくるが、投資信託の償還は、あくまでもその時点の基準価額によるので、必ず元本+アルファが得られるとは限らない。

  第二に、繰上償還されるケースだ。現時点で判明している償還予定のファンドの純資産残高を見ると16本中、純資産残高が10億円以上のファンドがたったの4本しかない。それ以外のファンドは数億円規模で、なかには1億円にも満たないファンドすらある。これら、純資産残高がごく僅かなもので償還されたものは、基本的に「繰上償還」というケースが多い。

  繰上償還とは、たとえば2014年12月が当初償還日と決められていても、2014年8月に償還されるなど償還日が繰り上げられることを意味する。

  繰上償還はある日、突然決められる。長期保有を前提に購入したのに、突然、運用中止を告げられるのだ。「長期保有が前提だから、今は基準価額が購入時より下がっているけれども、そのまま保有し続ける」などと思っていたのに、突然、繰上償還になれば、元本割れ償還を余儀なくされる。

  償還で最も注意しなければならないのは、この繰上償還だ。この手の憂き目に遭わないようにするためには、純資産残高の規模が小さいファンドには手を出さないこと。余裕を見れば、最低でも100億円程度の純資産残高を持つファンドを購入するべきだろう。(証券会社、公社債新聞社、金融データシステム勤務を経て2004年にJOYntを設立、代表取締役に就任、著書多数)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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