ガソリン高騰はいつまで続くのか

2014年7月30日 09:57

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1996年頃に小売価格で50円/ℓ程度だったレギュラーガソリンの価格は、3度の石油危機を経て激しく変動し、現在では170円/ℓ程度までに上昇している。

1996年頃に小売価格で50円/ℓ程度だったレギュラーガソリンの価格は、3度の石油危機を経て激しく変動し、現在では170円/ℓ程度までに上昇している。[写真拡大]

 ガソリンに代表される燃料油の価格は、これまでに大きく変化してきた。1996年頃に小売価格で50円/ℓ(レギュラーガソリン、以下同)程度であったものが、3度の石油危機を経て激しく変動し、現在では170円/ℓ程度までに上昇している。日本ではその原料となる原油をほぼ全量を輸入に頼っているという事情があり、相場の変動に一喜一憂させられてきたわけだ。

 相場が動く要素は複雑だが、大別すると以下の3点によるところが大きいとされる。一つ目は国内在庫の需給バランスである。二つ目は元売り・中間卸し・小売りといった業者の利益確保で、とくに元売り業者は需給バランスをにらみながら、巧みに利益幅を調整するといわれている。三つ目は原油の輸入価格だ。

 2008年9月に発生したリーマンショックにより、原油価格は一挙に高騰した。これは、投機資金が原油先物市場に流入したことが主な原因だ。サブプライムローン問題によってそれまでの投資先が見直され、新興国の需要増加による価格上昇が見込まれた原油先物市場に、投機資金が流れてきたのである。しかし、世界的に経済停滞が進むことで資金の流入量が減少し、原油需要が低下したために価格は大きく下落した。その後、経済回復政策を背景に価格は上昇に転じて現在に至っているのである。

 リーマンショック後のガソリン価格はおよそ180円/ℓ程度であったから、現在はそれに迫る勢いだといえる。相変わらず新興国の需要は旺盛だ。中東やロシアなど原油にかかわる地域の政情が安定しないことや、産油国の思惑・円安傾向などによって原油輸入価格は高止まりしている。直近では消費税増税も価格上昇を後押しした。当面はこういった情勢が続くであろうし、来年10月には消費税が10%に上がるのだ。これでは、ガソリン価格が200円/ℓを超える日もそう遠いことではないように思える。

 しかし、国内のガソリン需要は2004年頃から横ばい傾向にある。すなわち、国内在庫が余剰になる可能性が出てきているわけだ。ガソリンは連産品なので、単独で生産調整ができない。冬の需要に備えて灯油を増産すれば、必然的にガソリンも作られることになる。このタイミングで、消費税増税後に鈍った客足を回復させるべく小売店舗が廉売を始めれば、流通段階の利益の中から8円~13円/ℓ程度の値下げが期待できる。秋口の店頭価格が天王山といったところであろう。(記事:松平智敬・記事一覧を見る

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