国内初、居住時と電気自動車の走行分のCO2排出量ゼロを達成したスマートハウス

2014年7月20日 20:57

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記事提供元:エコノミックニュース

大阪ガスと積水ハウスは共同でスマートエネルギーハウスの居住実験を3年間に渡って行い、国内で初めて、電気自動車も含めた年間CO2排出量ゼロを達成した

大阪ガスと積水ハウスは共同でスマートエネルギーハウスの居住実験を3年間に渡って行い、国内で初めて、電気自動車も含めた年間CO2排出量ゼロを達成した[写真拡大]

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 大阪ガスと積水ハウスは、共同で実施していた「スマートエネルギーハウス」の居住実験において、燃料電池、太陽電池、電気自動車を用いた蓄電池を最適に制御することで、通年の居住時と電気自動車の走行分も含めたCO2排出量ゼロを日本で初めて達成した。

 「スマートエネルギーハウス」とは、「燃料電池」「太陽電池」「蓄電池」のいわゆる3電池を最適に制御すると共に、エアコンやシャッターなどをセンサーやタイマーで自動制御することで、我慢を強いることなく節電でき、より快適な暮らしを実現できる、電気と熱を賢く「創る・貯める・使う」住宅だ。

 システムの根幹となるのは、天然ガスによる発電とその際に発生する熱をも有効利用する家庭用コージェネレーションシステムに太陽電池を組み合わせた「W(ダブル)発電」。定置型の蓄電池と、電気自動車の蓄電池も用いた。さらにHEMSを用いた情報技術を駆使して、エネルギーの見える化、居住者への省エネアドバイス、各種機器の効率的な自動制御を行う。

 2011年2月から14年5月の3年間、子供を持つ30代の世帯が実際に居住して、長期居住実験を行い、通年で103%のCO2削減、82%の節電効果、さらに光熱費と車両燃料費で31万円のメリットを達成した。

 日本初の居住時と車での走行分も含めたCO2ゼロなどの成果もさることながら、今回の実験ではHEMSの新しい可能性を引き出した点も特筆すべき点だ。

 HEMSの特徴の一つにエネルギーの「見える化」があるが、これまでのHEMSは正直言って、あまり実用的ではなかった。最初のうちは面白がってチェックしても、すぐに見なくなる。エネルギー使用量が見えるといっても、見えているだけで、「ただいまの消費電力量は1kWh」などと表示されても、専門家でない限りピンとこない。1kWhの電力で実際何ができるのか、多いのか少ないのかもよく分からない人が大半だろう。これでは節電意識を継続させるのは難しい。

 今回、実験住宅に導入されたHEMSは、専門的な表記は極力避け、「今の発電量で電気自動車が50km走行可能」「20分間、シャワーが使用できる」など、誰にでも直感的に分かるようにした。また、HEMSの表示画面に、天気予報や洗濯情報、交通情報など、生活に必要な情報を巧みに盛り込むことにより、「飽きずに毎日チェック」することができるようになっている。さらに、快適温度を記憶して室内の冷暖房を自動制御したり、日照条件に合わせてカーテンの自動開閉を行ったりと、エアコン以外の気象条件も上手く利用しながら、快適な環境を作り出してくれるのも大きな魅力だ。

 実際にこの住宅に3年間居住した家族の感想としては、とくに意識しなくても家が勝手に最適な環境を作ってくれるので「普通に暮らしているだけで快適」だったという。小さな子供のいる家庭にとっては、節電意識はあってもそれを実行するのはなかなか難しい。しかし、このシステムを使えば省エネや創エネを意識せずに実践できるうえに、日々を快適に過ごせる。具体的には、目覚まし設定をしておくことで、快適な室温やシャッターの開閉を家が自動で行ってくれることが評判が良かった。子育て主婦にとって、忙しい朝のサポートは精神的にも助かるようだ。また、あくまで主観ではあるものの、温度設定が常に快適なためか、身体の調子がよく、子供が風邪を引いたりすることもほとんどなかったという。他にも、この実験住宅では、玄関扉のキーレスエントリーや自動扉、センサー水洗など、2015年~2020年の新築住宅を想定した最新の設備が備えられて検証された。

 住宅に限らず、いろんなものが自動化されていく世の中。しかし、システマチックに自動化されただけのものは、意外に不便だったりもする。そういう意味でも、今回の実験は生活者の暮らしに根ざしたものとなっている。快適に暮らしながら手を煩わせないことが実用化と普及に向けた大きな要素として、単純な数値だけに留まらない成果をもたらすのではないだろうか。少なくとも、省エネと快適性を両立することは不可能ではないことが実証された。「節電」「快適」と声高に言わなくても、それが当たり前の世の中が、もうそこまで来ているのかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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