東京農工大など、歩き方で人の感情を判別するアルゴリズムを開発 感情認識ロボットの機能向上に期待

2014年7月15日 21:20

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演者による感情表現のモーションキャプチャデータから作製したモデル(筑波大学の発表資料より)

演者による感情表現のモーションキャプチャデータから作製したモデル(筑波大学の発表資料より)[写真拡大]

 東京農工大学と筑波大学による研究グループは、歩き方を計測することで人の感情を数学的に認識できることを明らかにした。

 人は声や顔の表情から感情を認識していると言われているが、歩き方も同様に感情を認識するための要素であると考えられている。一方、これまで、ロボットに感情を認識させる際には声と顔だけを用いるのが主流で、歩き方に対する定量的な調査はおこなわれてこなかった。

 今回の研究では、4人の演者が5種類の感情(喜怒哀楽恐)を歩き方で表現し、20人の被験者がどのように感情を認識するか調べた。その結果、歩く速度や姿勢など、特定のパラメータが感情の認識に影響を与えることが分かった。

 この結果に基づいて感情認識アルゴリズムを作製し、パラメータ(速度、頭や胴体の姿勢)の重み付けを変えるなどして、感情認識の成功率を検証したところ、特定のパラメータが感情認識に大きく影響を与えることが明らかになったた。これによって、全体の動作ではなく一部の動きを見るだけで感情を認識できることが示された。

 今後は、さらに多くの動作データを蓄積することで、人の歩き方から感情を認識してコミュニケーションを取るロボットの開発などに繋がると期待されている。

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