愛知銀行 Research Memo(12):貸出金残高の伸びで引けを取るが収益性の高さで優位

2014年7月10日 19:55

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記事提供元:フィスコ


*19:55JST 愛知銀行 Research Memo(12):貸出金残高の伸びで引けを取るが収益性の高さで優位

■他社比較

愛知銀行<8527>の成長性、及び収益性、財務健全性について、愛知県を事業基盤とする他の第2地銀と比較してみた。まず、成長性について、預金残高の伸びでは、同行と名古屋銀行が高い水準にあるが、貸出金残高の伸びでは、同行は前期末の落ち込みを反映して若干緩やかな水準に留まっている。同行の中小企業等貸出金比率(個人を含む)が高いことから、足元で資金需要が弱い中小企業向け貸出にこだわる同行の方針も影響していることが考えられる。また、業務粗利益に関しては3行ともに減少傾向にある。

収益性に関しては、預貸金利鞘が比較的厚く、経費率の低い同行が全体的に高い水準にあると言える。なお、預貸金利鞘が比較的厚いのは、同行の中小企業等貸出金比率(個人を含む)が高いことも一因と考えられる。財務の健全性に関しては、名古屋銀行が優位に立つが、同行も懸念のない水準である。

株価バリュエーションでは、PER(予想基準)及びPBR(実績基準)の水準から、同行の株価には他行と比べて割安感がある。また、地銀業界全体に対する見方として、産業の空洞化や人口の減少など先細り感がある一方で、業界再編に伴う規模拡大や過当競合の解消等により経営の効率性が改善するとの期待もある。従って、同行が恵まれた事業基盤の中で差別化を図り、地域金融機関として顧客との関係を一層強固なものとしていく戦略が順調に進展していけば、同行の株価評価にもう一段の見直しが入る可能性も十分にある。同行の取り組みとその成果、再編の動き等にも注目したい。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)《FA》

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