加賀電子:パワー半導体~『SiC単結晶』で、低コスト製法開発

2014年7月7日 16:57

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■「産学共同実用化開発事業」として「JST」に正式採択される

 加賀電子<8154>(東1)が支援するサイコックス(千代田区・代表取締役加藤光治社長)は、産業技術総合研究所、京都大学が共同開発した「張り合わせSiC(シリコンカーバイド:炭化珪素)基板技術」(パワー半導体)の実用化開発について、独立行政法人科学技術振興機構の「産学共同実用化開発事業」(平成25年度第3回募集に応募し、審査の結果、正式採用され注目されている。

 採択された技術は、産業技術総合研究所の接合技術を基に、パワー半導体に必要な製造技術課題を解決した上に、貼り合せSiC基板を低コスト(一説では半額以下)で最終商品として提供する量産装置の開発、さらに小規模生産をも可能にするという。サイコックスでは、生産体制が整った段階で、年間数十万枚の貼り合せ貼り合せSiC基板の生産を目指している。また、開発後の販売は加賀電子が行う予定だ。

■優れた特性を持つSiC単結晶を基板材料に

 パワー半導体は、電気の直・交流、周波数の変換、電圧の上下をコントロールするものだが、同半導体の特性の優劣が消費電力の消費量を左右することから、優れた特性を持つSiC単結晶を基板材料として使用することが言われていたが、材料として採用するには高価過ぎるのが難点であった。

 今回、安価で生産できる製法が開発されたことで、この優れた次世代パワー半導体は、高効率、小型化を期待し太陽光発電用パワーコンディショナや自動車用インバータへの適用が進んでおり、電気自動車(EV)や家電製品での省エネ化、コスト低減を実現する画期的な開発として期待されている。

■共同研究の成果:新技術積み上げ~注目の低価格化へ

【次世代パワー半導体の技術】

 注目の低価格化への取り組み=製造技術は、1)2層の基板形成技術。イ)比較的安い多結晶SiC基板の表面に、単結晶SiCの層(厚さ0.6μm=100万分の1m)を特殊な表面活性化接合技術(産総研の高木秀樹チーム長開発)で均一に貼り合わせ、薄い単結晶SiC基板の層を残して剥がし、その後、ロ)凹凸のない平坦な基板へ研磨する技術である。さらに、2)低価格を実現。サイコックスが基板等材料メーカーと共同して材料や製造方法の見直しをするなどノウハウ積み上げた。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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