アイ・エス・ビー Research Memo(9):エンドユーザーとの契約増で利益率の改善へ

2014年4月17日 18:25

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記事提供元:フィスコ


*18:26JST アイ・エス・ビー Research Memo(9):エンドユーザーとの契約増で利益率の改善へ

■財務分析と業績見通し

(1)財務分析

同社<9702>の2013年12月期実績ベースの自己資本利益率(ROE)は6.0%だった。この値は上場企業平均からは若干低い値だ。資産の収益性を示す総資産経常利益率(ROA)は7.2%と、ROEを上回っている。同社の期末有利子負債残高はわずかに70百万円での推移が続いており、財務レバレッジの活用には余地があるようにみられる。

ROAをマージン(利益率)と総資産回転率に分解すると、売上高営業利益率は3.3%、総資産回転率は1.88回/年となっている。総資産回転率は、大きな生産設備を有しない情報サービス業界の企業によくみられるように、同社も高い値を示している。一方、3.3%という売上高営業利益率は、大いに改善の余地があると言える。同社は、リーマンショック後に企業のIT投資が縮小した影響を受けて業績が急落し、2010年12月期と2011年12月期は連続して営業損失に陥った。この状況を受けて、創業来初めての希望退職者の募集に踏み切り、売上高販管費率は15%前後から10%前後へと大きく改善した。

一方で同社のマージンが低い理由は、大手企業との二人三脚の構造にあるように思われる。同社が1970年の創業以来、順調に成長してきた背景には、同社が顧客や大手企業から高い評価を受け、大手企業とともに歩んできたということがある。しかしそれは、同社と顧客との間に大手企業が介在する構造を生み出し、マージンが圧縮される状況につながったと言える。

利益率の改善は中期経営計画の目標にもなっており、営業利益率5%の実現を掲げている。そのための具体策の1つとして、最終顧客との直接的な契約を増やす取り組みを始めている。これはまだ始まったばかりで、目に見えるようになるまでしばらく時間がかかると考えられるが、今後の利益率の改善は投資を行う上で注目すべきポイントと言えよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》

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