トヨタ、高熱効率・低燃費のエンジン群を新開発 燃費を10%以上向上

2014年4月11日 11:45

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トヨタ自動車が新開発した高熱効率・低燃費の1.3Lガソリンエンジン

トヨタ自動車が新開発した高熱効率・低燃費の1.3Lガソリンエンジン[写真拡大]

  • トヨタ自動車が新開発した高熱効率・低燃費の1.0Lガソリンエンジン

 10日、トヨタ自動車はハイブリッド専用エンジンの開発で培ってきた燃焼改良と損失低減技術を生かし、世界トップレベルの高熱効率を実現する低燃費エンジン群を新たに開発・改良したと発表した。

 同社が新たに開発・改良を進める高熱効率・低燃費エンジン群では、世界トップレベルのエンジン最大熱効率を達成し、従来型比で10%以上の燃費向上を実現していくという。熱効率とはエンジンなどのエネルギー効率を数値化したもので、燃料を燃やすことで生じた熱エネルギーのうち有効な仕事に変換された割合を表す。熱効率が高いほど燃料消費は少なくなる。

 具体的には1.3ℓガソリンエンジンの場合、これまでハイブリッド専用エンジンに採用してきたアトキンソンサイクル(圧縮比よりも膨張比を大きくして、熱効率を改善して燃費を向上させる燃焼サイクル)を利用すると同時に、高圧縮比化(13.5)することで膨張比を上げて排熱を抑制する。

 また、シリンダー内に強いタンブル流(縦回転の混合気の流れ)を生成する新形状の吸気ポートにより燃焼効率を高め、さらにクールドEGR(排出ガス再循環システム)・電動連続可変バルブタイミング機構(VVT-iE)などにより燃焼改善と損失低減を追求することで、量産ガソリンエンジンとしては世界トップレベルの最大熱効率38%を達成した。

 1.3ℓガソリンエンジン搭載車はアイドリングストップ機能などとあいまって、従来型に比べ約15%の燃費向上を実現している。

 また、ダイハツ工業と共同開発した1.0ℓガソリンエンジンでは、タンブル流を生成する新形状の吸気ポート・クールドEGR・高圧縮比化などにより最大熱効率37%を達成。新エンジン搭載車はアイドリングストップ機能や、さまざまな低燃費技術とあいまって、従来型比で最大約30%の燃費向上を実現した。

 これらのエンジンは近日マイナーチェンジする車種より搭載を始め、2015年までに全世界で合計14機種のエンジンを順次導入する。(記事:松平智敬・記事一覧を見る

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