縮小するパチンコ市場、20年で参加人口3分の1  

2014年4月6日 19:04

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記事提供元:エコノミックニュース

 パチンコをする人が減っている。日本生産性本部の「レジャー白書2013」によると、パチンコ業界の売上高(貸玉料)は12年の時点で19兆円。95年には30兆円もあったので、この20年で4割落ち込んだことになる。

 売上高よりも減少幅が大きいのは参加人口だ。20年前には3000万人近い人がパチンコを楽しんでいたが、今や1100万人と3分の1。若者を中心にパチンコ離れが進んでいる。10年前と比べ、10代男性の参加率は15%から2%、20代男性では50%から18%へと下落している。業界では分煙ルームを設けたり、若者に人気のアイドルを起用した台を導入したりするなど努力もしているが、パチンコ離れに歯止めがかかる気配はない。

 矢野経済研究所によると、13年12月末のパチンコホール経営企業数は全国に3818。12年末から157企業減り、前年の減少数を3倍以上、上回った。昨年1年でオープンした店舗は、前年比11店舗マイナスの227店。出店エリアは集客を見込みやすい東京、神奈川、埼玉、大阪、兵庫に集中している。特に人口の多い東京や神奈川への出店が目立つという。

 若者を中心に「パチンコ離れ」が進む一方、コアなファンは増えている。レジャー白書をみると、1年に何度パチンコ店を訪れているか(年間平均活動回数)は、95年の23.7回から12年には27.4回へと増加。参加人口が6割近く減っても売上が4割減にとどまっているのは、多額の金額を投じるコアなファンが増えているためかもしれない。

 日本遊技関連事業協会が12年に、パチンコ店の顧客2239名を対象に行った調査(回答者の平均年齢41.6歳)では、1回あたりの平均プレー時間が11年の3.9時間から4.6時間に増加。特に「1回あたり5時間以上」プレーする人の割合が、16%から29%へと大幅に増えた。長期的に見ても1回あたりのプレー時間は増加傾向にあり、コアなファンが業界を支えていると言えそうだ。(編集担当:北条かや)

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