シュッピン Research Memo(3):「価値ある中古品」をニーズに合わせて販売するEコマース企業

2014年3月12日 18:47

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記事提供元:フィスコ


*18:47JST シュッピン Research Memo(3):「価値ある中古品」をニーズに合わせて販売するEコマース企業

■会社概要

(2)経営理念と事業モデル

シュッピン<3179>の事業目的は「インターネットを利用して価値ある中古品の安心・安全なお取引を行うこと」である。事業モデルは「中古品流通事業者」という見方をされることが多いかもしれない。しかし、簡単な財務分析をするだけで、同社がEコマース企業であることが数字となって明確に現われてくる。

同社は創業時から中古品を扱っているが、重要な点は中古品を扱うかどうかではなく、扱う商材にどれだけ自社の競争力を持たせられるか、他社との差別化を図れるか、ということであろう。ソフマップの創業者でもある鈴木氏は、ソフマップでのパソコンの販売を通じてパソコンの技術進歩のスピードと、それにともなう価格下落スピードの激しさを体験したという。これは同時に「店舗」の持つ固定費負担の重さの体験でもある。一方で同氏は、自身が好きなカメラを通して、「価値ある商品は中古でも価格が下がらない」ことを発見し、「Map Camera」の開業に至った。「価値ある商品」という視点は同社の商材の選択に一貫している。「新製品の発売サイクルの長い商品」を「価値ある商品」と位置付け、同社の事業は「リユースではなく“リバリュー”」「価値ある大切な商品の新たな創造事業」であると説明している。

元来が「インターネットを利用して」ということが同社の出発点であるが、実際の売買に際しては店頭で担当者と話をしながら行いたいという消費者ニーズもある。とくに「1点もの」であるカメラや時計など、こだわりのある中古品の流通においてはなおさらであろう。そうした現実を踏まえて、同社は各事業分野で1店舗ずつリアルの店舗を展開している。同社にとってリアル店舗は、インターネットを用いた取引を補足する「ショールーム」という位置づけだ。したがって同社は、将来的に店舗の増設は考えていない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》

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