関連記事
木徳神糧 Research Memo(6):高付加価値製品の拡販、開発で収益構造は変わる可能性
*18:58JST 木徳神糧 Research Memo(6):高付加価値製品の拡販、開発で収益構造は変わる可能性
■復活および成長のための3つの戦略
会社側は以前から、「大手米卸の底力」「飼料事業の進化」「食品事業の再構築」「海外事業の見直し」「付加価値商品の開発」の5つを重要な中期経営戦略として掲げてきた。しかし足元の業績は上記のように大変厳しいものとなっており、これらの戦略をすべて進めることは容易ではない。まずは業績を復活(黒字転換)させることが先決であり、その後に絞り込んだ経営戦略を遂行することが必要だろう。
前述したように、木徳神糧<2700>の現在の主力業務は玄米を仕入れて精米し、それを販売することが中心になっている。しかし、仕入れは主に全農と言う大きな組織から、販売は大手のGMS、コンビニ、外食チェーン向けなどとなっており、価格交渉(利益確保)で優位に立つ事は容易ではない。結果として、同社の業績(利益)は自社努力以上に米価格の動向に左右されやすくなっている。しかし今後は、同社の企業努力により成長路線に入っていくことが必要であり、そのために特に必要かつ重要な戦略は、「仕入ルートの拡大・契約手法の多様化」「高付加価値製品の開発」「TPP」である。
(1)仕入ルートの拡大・契約手法の多様化
既に会社側も重要施策として掲げているが、仕入先を全農以外へさらに拡大すること、契約形態を変えることなどは同社の今後の利益成長にとって重要である。何故なら、これによって仕入価格の交渉で優位に立ち、利益率を改善することが可能になるからである。既に一部の農協からは直接仕入れを行っているが、今後はさらに拡大が必要だろう。また長い目で見れば、TPP交渉の進展と相まって海外からの調達も選択肢のひとつであり、同社のような大手には可能だろう。
(2)高付加価値製品の開発
これも利益成長のためには重要な施策である。既に各種の低たんぱく製品(低たんぱく米、低たんぱく高カロリー煎餅等)、こめ油などの高付加価値製品を開発しているが、これらの既存商品の拡販に努めると同時に、さらなるヒット商品の開発が必要だろう。これができれば、同社の利益は拡大する可能性が高い。なぜなら同社は、セブン&アイグループを筆頭に大手量販店等の「販路」を持っているからである。多くのメーカーが、良い製品を開発しても販路の面で悪戦苦闘しているが、この点で同社は多いに有利であり、高付加価値製品の拡販、開発を進めることができれば収益構造は大きく変わる可能性がある。
(3)TPP
政府が正式にTPPへの参加を表明し交渉が進んでいる。未だに今後の詳細は不明であるが、いずれにしろ進展次第で米を含めた日本の農業市場は大きく変わる可能性が大きい。国内米穀市場及び同社にどのような影響が出てくるかはまだ不透明であるが、少なくとも現状より後退することは考え難い。輸出及び輸入だけでなく三国間貿易も含めて少しでも米穀市場の自由度が増せば、大手米卸としての同社にとっては事業拡大のチャンスと思われる。今後のTTP交渉の進展は大いに注目する必要がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)《FA》
スポンサードリンク

