関連記事
エスプール Research Memo(6):障がい者雇用の需要に対応するため新たな農園用地を探索
*18:31JST エスプール Research Memo(6):障がい者雇用の需要に対応するため新たな農園用地を探索
■業績動向
○ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業の今期売上高は前期比23.7%増の2,695百万円、営業利益は同40.0%増の255百万円と2ケタ増収増益を見込む。
a)ロジスティクスアウトソーシングサービス
ロジスティクスアウトソーシングサービスの売上高は前期比9%増の1,790百万円と拡大基調が続く見通し。センター運営代行サービスは大型物流センターの開設ラッシュが続くなかで、引き続き旺盛な需要が見込まれている。エスプール<2471>では潜在需要が高く、成長余地の大きい既存顧客との取引拡大に集中していく方針で、そのために新たにアパレル物流と食品物流という2つの専門部署を新設し、専門性の深化とサービスの更なる向上を進めていく戦略だ。
一方、発送代行サービスに関しては前期比7%増の784百万円と3期ぶりの増収に転じる見通し。前期までは、薄利だったDM発送業務の縮小が影響して売上が伸び悩んでいたが、今期以降はネット通販発送代行業務の売上増により増収基調に転換する。インターネット通販市場が年率10%を上回るペースで成長を続けるなかで、前期につくばセンターを開設し処理能力を拡大したことで、新規顧客開拓を進めていく。つくばセンターの業務スペースは開設当初(2013年8月)は800坪からスタートし、2014年1月現在は1,100坪まで拡張している。新規顧客の開拓が順調に進めば、5月頃までにはさらに1,500坪まで拡張する予定だ。なお、つくばセンターは最大で1,800坪まで拡張が可能となっている。
なお、利益面では今期は保守的に若干の減益で見込んでいる。つくばセンターの管理者など人員の増加のほか、センター運営代行サービスでも新規案件の初期稼働時にみられる一時的な生産効率低下を見込んでいるためだ。
b)障がい者雇用支援サービス
障がい者雇用支援サービスの今期売上高は前期比26%増の268百万円と2ケタ成長が見込まれる。2013年に実施された障がい者雇用促進法の改正により、企業の障がい者雇用率が1.8%から2.0%に引き上げられたこともあり、障がい者雇用に対するニーズが拡大していることが背景にある。また、同社のサービスは企業に雇用場所を提供するだけでなく、雇用する障がい者の紹介も行うなど、障がい者雇用におけるワンストップソリューションサービスを確立しており、2013年以降急速に注目度が高まっていることも要因となっている。
同サービスのビジネスモデルを簡単に示すと表の通りとなっている。契約企業は区割りで販売される養液栽培設備の費用(約150万円/レーン)を支払うほか、月額で維持管理費用(約3万円/レーン)を支払うことになる。なお、養液栽培とは植物の成長に必要な養水分を液肥として与え、土を用いない栽培方法のことで、比較的簡単な作業で栽培を行えるといった特徴がある。また、ビニールハウス栽培なので天候にも左右されず、1年を通じて安定的に雇用できる。現在はホウレンソウやレタスなどの野菜を栽培している。
市原の「わーくはぴねす農園」については、全120レーンのうち、期初の計画では未販売分の70レーンを販売する予定だったが、予想以上に早く完売したため、2013年10月に農園を拡張し、追加で60レーンを増設した(合計180レーン)。前期までに累計150レーン分を販売し、残り30レーンについてもこの第1四半期までに完売する予定となっている。旺盛な需要に対応するため、同社では現在千葉県茂原市に新たな農園用地を探索中で、2月中の取得を予定している。面積で4,000坪、レーン数で120レーン程度となる見込み。
2014年11月期の障がい者雇用支援サービス売上高のうち農園設備の販売、管理料に関する売上計画は前期比13%増の181百万円だが、これは80~90レーンの販売が前提になっているとみられる。既に市原農園の30レーン分の完売がみえていることから、茂原農園の完成時期次第では販売レーン数が計画を上回ることも十分考えられる。
一方、障がい者就労移行支援サービスも2014年11月期の売上高は87百万円と前期の52百万円から順調に拡大する見通し。既に市原校の卒業生が70名以上市原農園で雇用されており、定着率も100%と高く顧客企業からの評価も高まっている。2013年10月には新たに茂原校、市川校の2校を開校しており、生徒数も順調に増加している模様だ。
現在の生徒数は市原の2校でそれぞれ約20名とほぼ定員に達しているほか、茂原校では約10名、市川校では約4名となっている。このうち茂原校に関しては今春の入塾予定生徒数も含めれば20名とほぼ定員に達する見通しだ。なお、市川校に関しては農園向けではなく、パソコン入力作業など事務系の就労移行支援を行っている。
就労移行支援サービスに関しては、生徒1人当たりの千葉県からの助成金が1日当たり8,500円入ることになる。20名の生徒であれば月額売上が300~350万円となり、1施設当たりの経費が約250万円であることから月50~100万円の利益が出る計算となる。現在の生徒数50~60名が1年間続いたとすれば、売上高は90~120百万円程度となり、売上計画87百万円を上回ることになる。就職が決まると生徒数が減少するが、逆に紹介料50万円が入ることもあり、今期の計画は保守的と言えよう。
c)キャンペーンアウトソーシングサービス
前期は受注の低迷に加えて、キャンペーン業務からWi-Fi通信機器の設置及び調査業務への業態変更に伴う過程で発生した一時費用が赤字の要因となったが、今期は新規大型案件の受注獲得により第1四半期からの黒字化が見込まれている。具体的には、東京電力<9501>管内のスマートメーター設置に関する業務である。東京電力は2020年度末までに管内の2,700万世帯に敷設されている電力メーターをすべてスマートメーターに置き換える計画を立てており、その業務の一環として各家庭における電波状況の調査業務を2014年1月からスタートしている。
スマートメーターは双方向の通信機能を備えており、使用電力量などの情報を無線で送信する格好となる。通信方式としては主にWi-Fiが利用されることになるが、場所によってはWi-Fiの電波が届かない場所もあり、その際にはPHSを利用することになる。このためスマートメーターを設置する前に、各家庭の電波送受信状況を調査するという業務となる。売上高としては第1四半期で約30百万円、第2四半期で90百万円が見込まれている。同案件は複数の事業者で並行して行っているため、売上高が急増するわけではないが、2020年度までの長期プロジェクトとなっていることから、今後も安定した受注が見込まれる。また、将来的には水道メーターやガスメーターなどもスマートメーターに置き換わる可能性があり、新規市場として期待されよう。
d)除染業務
除染業務に関しては第2四半期からの黒字化を見込んでいる。前期は組織体制の構築、ノウハウの習得に費やしたが、今期は収益化に向けての運用体制を確立し、好条件の取引先の拡大に注力していく。第1四半期は冬期のため仕事量が少ないが、第2四半期以降は仕事量の増加に伴い生産性も向上するため、単月での黒字化が実現可能とみている。
現在、契約社員15名の体制でチームを組んでおり、早期に月商で10~20百万円の水準を目指していく考えで、受注状況次第では人員を2倍に増員することも視野に入れている。同社は社員に対する安全教育などのサポート体制や福利厚生面での整備などを強みとして優秀な人材の採用を進め、優良顧客との取引拡大を進めていく。
e)顧問派遣サービス
顧問派遣サービスでは前下期より単月での黒字化を実現しており、今期は収益貢献する可能性が高い。顧問先は30~50社の水準に拡大しており、売上高としては月商で8~10百万円程度、利益率では2~5%程度の水準となっている。今後も団塊世代を中心としたシニア層を中心とした再就職支援サービスとして堅実な成長が見込まれる。なお、登録スタッフは現在約2,200名と半年前と比べて500名ほど増加している。
f)マーチャンダイジングサービス
マーチャンダイジングサービスでは契約更新のタイミングが4月のケースが多く、現在は4月の新規受注獲得に向けた営業活動を強化中の段階にある。このため今後の収益動向に関しては流動的であるものの、受注が順調に獲得できれば第2四半期以降の黒字化が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《SY》
スポンサードリンク

