泉州電業 Research Memo(3):業界比で機器用・通信用電線と電力用ケーブルが高い比率

2014年2月3日 18:20

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記事提供元:フィスコ


*18:20JST 泉州電業 Research Memo(3):業界比で機器用・通信用電線と電力用ケーブルが高い比率

■会社概要

(2)事業概要

泉州電業<9824>は電線の総合専門商社で独立系では最大手。仕入先は約200社となっており、国内の電線メーカーが中小企業を含めて約400社あるなかで、半分以上のメーカーから仕入れていることになる。商品アイテム数で約2万点と、国内における商品の調達力は抜きんでている。主な仕入先は昭和電線ホールディングス<5805>、住電日立ケーブルとなっている。

販売体制は、国内で支店8ヶ所、営業所7ヶ所を有し、各支店・営業所へ物流センターを併設し、営業マン200名体制で全国展開をしている。また、加工品の工場(外注工場)を納入先の近隣に設けるなど、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というジャスト・イン・タイムに対応したデリバリー体制と在庫管理能力を強みとしている。在庫水準に関しては「0.8ヶ月以内」と厳しい社内規定を設けて銅相場の変動に対応できるよう、常に適正在庫水準を維持している。顧客は電材販売業者やメーカー、電気工事会社など約3,500社にのぼり、最大の顧客先の売上構成比は約3%、上位10社合計でも19%程度と特定の顧客に対する依存度が低く、幅広い顧客と取引を行っているのが特徴だ。

同社の商品別の売上構成比(2013年10月期)はグラフの通りで、機器用・通信用電線が34.0%と最も大きく、次いで電力用ケーブルが33.3%、汎用被覆線が12.0%となっている。

業界全体の構成比(2012年暦年)と比較すると機器用・通信用電線と電力用ケーブルの比率が高いことがわかる。これは業界合計では比率の高い輸送用電線(主に自動車用ワイヤーハーネス)を同社では手掛けていないことによる。この数字を除いた業界合計の構成比では機器用・通信用電線が22%、電力用ケーブルが31%となっており、電力用ケーブルはほぼ同じ構成となっているものの、機器用・通信用電線では同社の構成比が高くなっており、同社の特徴と言える。

また、機器用・通信用電線のなかでも同社は自動車業界やエレクトロニクス業界における工場の生産ラインで用いられる電線を主力としている。具体的にはFA機器や工作機械をつなぐケーブル及び、これら機器内に組み込まれる電線などだ。このため同社の業績は国内における自動車・エレクトロニクス業界を中心とした製造業の設備投資動向と相関性が高くなっている。

同社はこの機器用・通信用電線において他社との差別化を図っている。具体的には、営業が集めてきた顧客ニーズをもとにオリジナル商品を独自で、またはメーカーとの共同開発で、単なる仕入販売商社ではない付加価値商品の販売を行っている。加工品の拠点を顧客の近隣で展開していると述べたが、こうしたロケーション戦略によって顧客との接触を密にし、新製品や生産ラインの設計段階からの情報を入手して製品開発に活かしている。こうしたオリジナル商品の特徴は、「耐久性、耐環境性(温度変化、防油、防水等)、ノイズ対策」など、顧客のニーズに合わせたものとなっている。こうしたオリジナル商品に関しては、在庫リスクを同社が抱えるため、粗利益率も高く設定されている。機器用・通信用電線のなかでこうしたオリジナル商品の売上構成比は半分程度を占めている。機器用・通信用電線の売上構成比は34.0%だが、粗利益率は高く、同社の業績が製造業の設備投資動向と相関性が高い要因となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島昇)《FA》

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