ネットプライスドットコム Research Memo(12):「新興国への投資」を積極化して成長拡大へ

2014年2月3日 15:09

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記事提供元:フィスコ


*15:09JST ネットプライスドットコム Research Memo(12):「新興国への投資」を積極化して成長拡大へ
■成長戦略

ネットプライスドットコム<3328>の今後の成長戦略について事業別に簡単に紹介する。

○バリューサイクル部門

バリューサイクル部門では国内トップのネット買取プラットフォームを今後も拡充し、顧客の買取満足度向上施策(当日査定、送料等諸経費の無料化など)を継続的に行いながら、2014年9月期には前期比で買取件数を2倍程度まで拡大していく目標を立てている。中古品売買の事業拡大にあたっては、買取処理能力が最も重要な要素となるためだ。今後もテレビCMの活用など認知度の向上も進めていきながら、ネット分野における圧倒的な競争力を構築し、年率2ケタの成長を目指していく方針だ。

○リテール・ライセンス部門

ネットショッピング事業に関しては、30~40代の女性スマートフォンユーザーを主力顧客層とし、オリジナル開発商品やタレントとのコラボ商品など特色を持たせた商品ラインナップの充実と、スマホメディアとのセール展開を進め、販売機会の拡大を図ることによって、2014年9月期での黒字化を目指している。今後も大手企業とは異なる販売戦略をとることで、競争が激しい市場環境の中で成長を目指していく。

一方、モノセンスの事業に関しては、前述した通り人気アーティストグループとの提携が新たに決まったことで、タレント関連グッズのEコマースに強い企業としての評価が確立されつつあり、今後も提携拡大による収益成長が期待される。

○クロスボーダー部門

グローバルショッピングサイト「sekaimon」は、当面のところは収益の改善を優先していくが、中長期的には米国、英国、ドイツ、オーストリアの4ヶ国にとどまっている出品国の拡大と、魅力ある商品の掲載拡充を進めていく方針だ。同社では今後もスマートフォンへの対応などサイトの利便性向上に向けた改善を進めていくほか、サイトの認知度向上に向けた取り組みを強化し、ユーザー層の拡大によって流通額の拡大を目指していく。

一方、転送コムの商品代行発送サービスや代理購入サービスは、国内の様々なECサイトとの共同展開を進めながら、海外顧客数の拡大を進めて事業拡大を図っていく。経済産業省の調べによると、日本におけるEコマース市場規模は2012年に9.5兆円、EC化率は3.1%と順調に拡大している。大手ECサイトの海外からのアクセス率は平均で3~5%程度とみられており、これをベースにすれば海外からの購入額は年間で3,000~5,000億円規模と推計される。海外から見た日本の文化・ファッションへの注目度は高く、今後も海外からの購入額が拡大していく可能性は高い。

転送コムにおける2013年9月期の流通額はまだ40億円程度だが、市場規模の拡大に加えて、提携サイトの拡充によるシェア上昇などにより、中長期的に高成長が期待されよう。リスク要因としては、各ECサイトが流通額の拡大によって、自前で海外向けの発送・決済サービスを整備するようになる、という点が指摘される。ただ、自前でこうしたシステムを整備するにはコスト面で負担がかかることもあり、同社のような専門の事業者がコストメリットを活かして、これらの業務を請け負っていく可能性は十分あると言える。

○インキュベーション事業

グループ内における新規事業の創造に関しては、今後も継続的に行っていく方針だ。一方、国内外の投資育成事業に関しては、第3者割当増資によって得た資金を活用しながら、有望なベンチャー企業に投資を行っていく。新興国における投資対象としては、人口数が多く、インターネットの普及とともにEコマースの市場拡大が見込まれる国としており、Eコマースにおけるプラットフォーム領域を手掛ける企業が対象となる。具体的には、「マーケットプレイス」「ペイメント」「コンパリソン(比較サービス)」などのサービスを手掛ける企業、あるいはネット上でのサービスマッチングを行う企業などが挙げられる。

Eコマース事業においては従来のネットショッピング事業主体から、今後はバリューサイクル部門やクロスボーダー部門が成長を牽引していく格好となる。一方で、インキュベーション事業に関しては、出資した企業で株式公開を果たす企業が出始めるなど、先行投資期間から、ようやく収益回収のタイミングに入り始めた段階にあると言える。同社では今後も積極的にインキュベーション事業を国内外で展開していく方針で、今後は「Eコマースに強いインキュベーション会社」として成長拡大していくものと予想される。

なお、同社の会社名に関しても、こうした事業戦略をもとに、2014年10月に「BEENOS(ビーノス)」に変更する予定となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《NO》

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