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Eストアー Research Memo(4):「ストックからフロウへ」の取り組みは順調に推移
*18:28JST Eストアー Research Memo(4):「ストックからフロウへ」の取り組みは順調に推移
■会社概要
(2)事業の概要
●EC事業
EC事業は主要商品ごとに大きく3つに分けられる。すなわち、「ウェブショップ総合パッケージ」「Eコマース用レンタルサーバー」及び「ショッピングカートASP」だ。図にあるように、3つの商品それぞれの売上高の絶対額及び増減のトレンドには明確な差がある。その背景について以下に詳述する。
Eストアー<4304>の創業期の事業は、お店のホームページにEストアーの提供するショッピングカート機能を設置することで、一般のお店のホームページにネットショップ機能を持たせることができる「ストアツール」と、お店のEコマース用にサーバーをレンタルする「サイトサーブ」の2つだった。これらのサービスはその後順調に成長し、創業期の同社の成長を支えた。これらの販売促進の有効な手段として、同社がUSEN<4842>やテレウェイヴ (現アイフラッグ<2759>)等の各社と販売提携を行ったのは前述した通りである。
その後、同社は、レンタルサーバーやショッピングカート単品のサービスから、Eコマースを包括的にサポートするサービスへと舵を切った。この新サービスが「ショップサーブ」と言われるウェブショップ総合支援サービスである。たとえば、街のお菓子屋さんがインターネットを利用したネットショップに乗り出して売上高を増やしたいと考えたとき、それを簡便に実現するための様々なサービスを提供するのがこの「ショップサーブ」だ。ネットショップを開くという行為には、ホームページの制作、集客、販売促進、運用、決済など様々な要素が含まれているが、「ショップサーブ」にはこれらのすべての機能が盛り込まれている。中小の店舗にショップサーブというネットショップ開設・運営のためのアプリケーションを提供するという意味で、ショップサーブを「EC-ASP事業」と表現している。「ショップサーブ」は現在、EC事業の、ひいては同社の中核事業へと成長した。
レンタルサーバーやショッピングカートの単機能サービスから、総合的・包括的ウェブショップ支援サービスへの切り替えが、同社にとっての最初の事業構造改革であった。
その後も同社は時代の流れや自社の成長の状況に応じて次々と事業構造の変革を行った。第2の事業構造改革は、「依存販路から直販へ」というものであった。これは、前述の「サイトサーブ」「ストアツール」「ショップサーブ」の各サービスの販売において、販売提携先を通じて獲得した契約の見直しである。すなわち、このようなプロセスで獲得した契約先は、売上高と利益の両面で貢献度が小さく、場合によってはマイナスとなるリスクもあった。そこで同社は、自社及び小型取次店による顧客獲得に努めると同時に、提携先の営業による契約先店舗に関しては解約やむなしというスタンスで対応してきた。その結果、表面的な契約件数は大きく減少することとなったが、顧客との関係性ひいては収益性という意味で、現在抱え込んでいる顧客の質は大きく向上した。
第3の事業構造改革は、収入のタイプに着目しての体質強化で、「ストックからフロウへ」というものだ。前述した第2の事業構造改革が、契約数の減少を受忍するものである以上、この「ストックからフロウへ」という変革は必然だったと言えよう。図でも示したように、ストックは月額利用料と店舗数の積で決まってくる。店舗数が減少する以上は店舗数に影響されない収入がより重要になってくる。それが店舗の売上高に連動した収入である。
同社の「ストックからフロウへ」の取り組みは、これまでのところは順調に推移している。同社の契約顧客数は減少トレンドにあったのは前述の通り。去ってしかるべき店舗はほぼ去った状態になり、契約数については底打ち感が出てきた。しかし、契約数の減少を反映してストックの収入は2011年3月期の2,429百万円をピークに横ばい圏で推移している。一方フロウは、5年前の2008年3月期に586百万円だったものが2013年3月期には1,874百万円へと3倍以上に成長した。
以上述べたように、EC事業はEストアーそのものであり、創業以来3回にわたり、大きく舵を切りながら成長をたどってきた。創業以来の同社の業績は、必ずしも連続増収増益の右肩上がりばかりというわけではなく、時に減益にもなった。しかしこの収益のアップダウンは、EC事業において様々な変革にチャレンジしてきた同社の歴史そのものである。
(執筆:客員アナリスト 浅川裕之)《FA》
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