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Eストアー Research Memo(5):集客事業では開放型のECモール「PARK」を運営
*18:29JST Eストアー Research Memo(5):集客事業では開放型のECモール「PARK」を運営
■会社概要
(2)事業の概要
●集客事業
集客事業は、同社の第4の事業構造改革に伴ってできた事業部門である。すなわち、EC事業が、顧客のショップに対してネットショップを展開するうえでの仕組みや装置を提供するものであるのに対し、集客事業は、既にネットショップを展開する顧客に対して、売上高の増大を図るための様々な施策を提供するものである。
Eストアー<4304>が現在行っている集客事業は、大きく(a)システムの提供と(b)役務の提供とに分かれる。
システムの提供の部分で中核をなすのは、検索サイト「PARK」の運営だ。PARKは一見すると楽天などと同じECモールに見えるが本質は異なる。楽天がメンバーとなった会員店舗だけを取り込み(もちろん、会員になることについては広く門戸を開放しているが)、他方、ポイントシステムで消費者を囲い込むという、いわば閉鎖的なビジネスモデルであるのに対して、PARKは開放型のモデルとなっている。すなわち、PARKはその名の通り公園であり市場という場の提供に過ぎない。そこに集まるのはそれぞれにお店(ネットショップ)を構える店舗であり、彼らが自由にPARKにやってきて店を出すというイメージだ。PARKの運営主体であるEストアーとしては、当然のことながら、PARKを魅力ある場所にして店舗を呼び込む必要がある。そのための方策が特定分野に絞った特集ページをPARK内に林立させるという手法である。既にこの効果は出ていて、たとえばサバイバルゲームの分野では、消費者からも店舗側からもダントツNo.1の評価を確立しているとのことだ。同社としてはこのような例を他の分野にもどんどん広げていくことで、EC事業における顧客店舗のみならず、他のモール等で店を出しているネットショップもPARKに取り込む方針である。このようにPARKは外部顧客店舗を積極的に取り込むという意味で開放型のビジネスモデルを目指している。PARKの課金は「クリック課金」と「成約課金」どちらかを選べる課金モデルを採用している。この結果、PARK運営主体のEストアーと顧客ネットショップ側双方にとってフェアで、両者の目指す方向性が合致していると言える。
役務提供は各店舗の売上高を増やすことを目的としたコンサルティングである。同様なことを手掛けるITサービス企業は他にもあるが、基本的には日本を代表する、あるいは事業を全国展開するいわゆる大企業が主たる顧客であることが多い。その場合のコンサルティング・フィーは最低でも数百万円と、非常に高額なものとなっている。Eストアーは子会社のプレシジョンマーケティング社とともに、中堅、中小企業をターゲットとする点で独自路線を歩んでいる。フィーは大手企業相手の場合に比べて1ケタ小さいようだが、他に有力な競合企業がおらず、収益構造的にも大企業を手掛ける大手競合企業が降りてきにくい分野ということで、同社自身はこのビジネスの市場環境を“ブルーオーシャン”であるとして、非常に期待を寄せている。
同社が提供するコンサルティングの内容には、ホームページ制作やSEO対策などももちろん含まれるが、中核をなすのはリスティング広告に関するものだ。現在のところはプレシジョン社が中堅企業主体で、Eストアー本体がその下の規模の中小企業という形で棲み分けながら、コンサルタントがサービス提供を行っている。さらに、コンサルティングのノウハウや知識をシステム化し、零細企業や個人企業が簡便に利用できるソフトウェアを開発した。それが、「シングルハンド」という名のリスティング広告サービスである。リスティング広告自体は効果が期待される広告手法であるが費用のコントロールが難しい側面もある。それゆえ、同社の提供する、人的あるいはシステム活用型のコンサルティングに対する潜在的ニーズは非常に高いと言える。
集客事業はまだまだ初期投資の段階にあり、収益面では赤字だ。特に、PARKの立ち上げとコンサルティングという新規分野がそのステージにある。しかしながら、代表の石村賢一(いしむらけんいち)氏は、この分野に対して今この段階でしっかり投資を行うことの重要性を強調している。2014年3月期上期には、全社員の20%、EC事業で稼いだ営業利益の約40%を、集客事業の中の2大新規分野に投入した。しかし、石村代表はそれでも投資がまだ少ないとしており、この事業の中期的な潜在成長性についての同氏の期待の大きさがうかがわれる。
(執筆:客員アナリスト 浅川裕之)《FA》
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