週刊ダイヤモンド今週号より~円安でも増えない!? 輸出の謎

2014年1月27日 08:03

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記事提供元:フィスコ


*08:03JST 週刊ダイヤモンド今週号より~円安でも増えない!? 輸出の謎
円安でいずれ輸出が伸び始め、その恩恵は国内全体に波及する——。そう言われながら1年以上が経過しましたが、いまだに輸出拡大の足取りはおぼつかない状況で、このままでは景気回復のシナリオが崩れかねません。本当に単なる“タイムラグ”の問題なのでしょうか。今週号の特集では、輸出低迷の根底にある構造変化を探っています。

輸出の伸び悩みには、海外景気の回復の鈍さ以外に、大きく3つの構造的な要因があります。第1に、企業が円安にもかかわらず輸出価格を下げていないこと。価格を変えなければ輸出数量は増えませんが、為替差益で利益が増えます。今回の円安局面では、企業はシェア拡大よりも収益確保を優先させているのです。

第2に、かねて言われ続けている大きな要因、生産拠点の海外移転です。主な目的は、生産・輸送コスト低減と需要地のニーズ取り込み。日本政策投資銀行によるアンケート調査では、94%が「円安でも国内生産能力を増やすことはない」としています。

第3の要因としては、製造業全般の国際競争力の低下が挙げられます。日本にも利益率が高く、シェアを伸ばしている強い業種、企業はありますが、それらのビジネスモデルは必ずしも輸出増にはつながりません。世界の貿易構造が変わりつつある中で、「コストを競うのか、付加価値で競うのか」が極めて重要で、いずれを選ぶにせよ、もはや円安だけで勝てる世界ではなくなっているのです。《NT》

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