アールシーコアCORPORATE RESEARCH(3/7):リーマンショックを機に売上総利益率は水準が一段上昇

2014年1月8日 18:29

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記事提供元:フィスコ


*18:29JST アールシーコアCORPORATE RESEARCH(3/7):リーマンショックを機に売上総利益率は水準が一段上昇

■業績動向

なお、半期別に見たアールシーコア<7837>の売上総利益のトレンドは図の通り。リーマンショックのダメージが大きかった2009年度を底に、売上総利益は拡大基調にあることが確認できる。これは売上規模そのものが増加しているのに加え、売上総利益率も2008年以前に比べて概ね3%pt程度水準を上昇させていることによる。売上の拡大は、感性マーケティングを軸とした積極的な広告宣伝、展示場の設置に伴うBESSブランドの浸透が寄与したもの。売上総利益率の上昇は、棟数増に伴う効率改善、さらに2012年度までは折からの円高による輸入木材仕入価格の低下が寄与したものと推定される(年間1円の円高(対米ドル、ユーロ、加ドル)で概ね1,000万円程度の利益寄与)。


◆諸資材価格高騰の影響を吸収した手腕は高く評価されて良い。これらのノウハウがさらに蓄積されれば、一層の効率改善余地も期待できる

しかし、為替が円安に転換した2013年度上期も、同社の売上総利益率は高水準を持続している。為替予約により円安の影響が緩和された面はあるものの、人手不足や建設諸資材価格上昇の影響までも吸収している点は注目に値しよう。これは内部努力や棟数増による効率改善の寄与が相当大きいということに他ならない。部材キット化・プレカット化の加速はその一例ながら、年間1,000棟を超える成約水準に達したことで(販社を含めた)「規模の経済」が効きやすい事業サイズに到達した可能性があろう。2012年度後半からの円安や諸物価高騰といった逆風がこういった経営効率化を急がせた面もある。その効果は比較的早期に、かつ大きな規模で発現してきたものと思われる。このことは、今後さらにノウハウが蓄積されれば、一層の効率改善余地が出てくることを示唆している。


◆販売管理費も先行投資重く増加基調は変わらず。しかし、その効果である売上増(売上総利益増)で吸収できる範囲に綿密に制御されている

同様の傾向は、販売管理費のトレンドを見てもうかがえる。実は、販売管理費もリーマンショック後の2009年度をボトムに増加傾向が鮮明である。これはBESSブランドの広告宣伝や業容拡大による人件費といった先行投資負担が増加しているため。かつて同社は、2005~2007年度に(販社を含めての)広告宣伝が結果的に抑制された結果、リーマンショックの発生前から受注減少を招く事態を経験したことがある。この時の反省から、成約水準が過去最高を更新する中ではあるものの、気を緩めることなく先行投資を続けている姿勢が確認できよう。

しかも、それでも最高益の更新に至っていることを見れば、これら先行投資による利益圧迫は、その効果である売上増(売上総利益増)でうまく吸収されているということもうかがえる。すなわち、同社の収益構造は先行投資とその成果がうまくバランスされた状態にあると言えよう。当然ながら、このバランスは偶然の産物ではなく、売上動向を見据えたうえで経営陣によって意識的に作り出されている可能性は大きい。実際に売上高に占める販売管理費の割合は、リーマンショック後の挽回局面では30%を超えた場面もあったものの、直近は27%程度でほぼ安定している。コスト増となる販売管理費の上昇ピッチは急ながら、決して過度に悲観的に捉える必要はなく、むしろ綿密に制御されていると考えられよう。


株式会社エヌ・ジー・アイ・コンサルティング 長井 亨《FA》

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