【アナリスト水田雅展の銘柄分析】JFEシステムズはレンジ下限に到達して反発のタイミング

2013年12月19日 09:37

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  システム開発のJFEシステムズ <4832> (東2)の株価は高値圏でモミ合い展開が続き、煮詰まり感も強めている。足元はレンジ下限に到達して反発のタイミングだろう。

  川崎製鉄(現JFEスチール)のシステム部門を分離して設立した情報サービス企業である。鉄鋼向け情報システム開発・構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向けSI(システム・インテグレーション)事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業なども展開している。アライアンス戦略も推進して、13年5月に大阪ガス <9532> 子会社のオージス総研と協業、そしてビジネスブレイン太田昭和 <9658> と資本・業務提携した。

  中期成長に向けて、鉄鋼事業統合を梃子にした体質強化(JFEスチールと連携した製鉄所システム共通化、クラウド基盤ビジネスの本格展開)、SI事業基盤強化(自動車顧客向け売上拡大、ERPで不足する原価・購買管理分野での自社ソリューション拡大)、自社プロダクト・ソリューション事業の成長(帳簿データ保存ソリューション、電子帳票システム「FiBridgeII」のタブレット対応、MQネットによる原料規格書サービス)、および戦略的業務提携の推進を掲げている。

  今期(14年3月期)の連結業績見通し(10月25日に売上高を増額)は売上高が前期比4.0%増の351億円、営業利益が同10.6%増の10億20百万円、経常利益が同10.1%増の10億20百万円、そして純利益が同3.3%増の5億20百万円としている。外販は製造流通向けが好調で、鉄鋼向けはJFEスチールの投資が下期に積み増しとなる。子会社KITシステムズでは基本OS「ウインドウズXP」からの変更に伴う需要も寄与する。第2四半期累計(4月~9月)が期初計画を上回り、下期の構成比が高い収益構造であることも考慮すれば、通期ベースで好業績が期待されるだろう。

  株価の動き(10月1日付で株式100分割)を見ると、7月以降は概ね高値圏830円~880円近辺で堅調に推移している。やや上値が重いが、一方では大きく下押す動きも見られず、モミ合い展開に煮詰まり感も強めている。足元では12月11日に898円まで上伸して5月高値900円に接近する場面があった。12月18日には一転して833円まで調整したが、レンジ下限に到達して反発のタイミングだ。

  12月18日の終値834円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS66円22銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS1179円71銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると右肩上がりの52週移動平均線が接近している。指標面に割高感はなく、きっかけ次第で動意付く可能性もあるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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