ムサシ Research Memo(3):選挙システム機材は市場シェア80%と圧倒的なポジション

2013年12月13日 20:11

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記事提供元:フィスコ


*20:12JST ムサシ Research Memo(3):選挙システム機材は市場シェア80%と圧倒的なポジション

■事業概要

一方、「金融汎用・選挙システム機材」は開発製造から手掛けている自社開発商品のため、付加価値も高く営業利益率も相対的に高い事業となっている。特に、選挙システム機材はムサシ<7521>が業界のパイオニアであり、市場シェアで80%と圧倒的なポジションを築いている。競合としてはグローリー<6457>があるが、投票用紙読取分類機などの機器のほか、特殊な投票用紙(自然に開く投票用紙を開発)や業務管理ソフト、選挙の際に必要となる各種用品用具等も含めてトータルソリューションサービスという形で展開しているのは同社だけで、そこが同社の最大の強みとなっている。同事業は国政選挙が行われる際に売上高が大きく伸びる特需的な色彩が濃い事業となっており、全体の業績も選挙システム機材の動きと相関性が高い傾向にある。なお、選挙システム機器は、選挙の実施時期が定期的に決まっている参議院選挙の年に照準を合わせて開発が進められている。

金融汎用システム機材については銀行の営業店舗で行員が取り扱う貨幣処理機や管理機器等が主力商品となっている。事業売上の約70%が金融機関向けで占められており、金融機関における業界シェアでは約25%とグローリーに次いで2番手に位置している。その他の顧客としては、流通業界や宅配業、交通機関、公営競技場、アミューズメント施設向け等が挙げられる。

「紙・紙加工品」については創業からのビジネスである。印刷・情報用紙など一般的な紙も取り扱うが、オリジナル性の高い特殊紙や紙加工品なども販売している。売上高の構成比率は10%台で推移しているが、利益率は低く利益へのインパクトは軽微となっている。

また、「不動産賃貸・リース事業等」は主に同社グループ内における不動産賃貸や車両リース、保険代理店事業が中心となっている。対外顧客向け売上高は小さいが、毎期安定した利益を稼ぎ出している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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