ネットイヤー Research Memo(2):大企業を顧客にデジタルマーケティング支援事業を展開

2013年12月12日 16:44

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記事提供元:フィスコ


*16:45JST ネットイヤー Research Memo(2):大企業を顧客にデジタルマーケティング支援事業を展開
■事業概要

ネットイヤーグループ<3622>は、インターネット技術を活用したマーケティング支援事業を主に展開している。最近では「デジタルマーケティング」という言葉が定着したため、まさにデジタルマーケティングを統合的に展開している企業と定義できる。具体的には、企業活動において自社Webサイトを中心に、既存メディアや営業、コールセンター、店舗などと連携させるマーケティング手法で、企業や自治体などのクライアントに対して、こうした新たなデジタルマーケティング戦略を提案、実践していくことで、クライアントのブランド力向上や売上成長、業務変革の推進などの成果を導いていくサービスとなる。

このため、サービスはクライアントごとのカスタムサービスとなる。一般的に開発期間は3ヶ月程度、長いものでも1年程度となっており、通常のシステム開発会社と比べると短い。プロジェクト管理も比較的容易で、開発納期が遅延することはほとんどない。また、システム開発部分に関しては大半を外注しており、外注比率は40%程度となっている。受注単価は少額のもので10万円から、高額のもので100百万円を超えるものまでプロジェクトの内容に応じて様々となっている。

クライアントの業種としては情報通信業や金融、外食、電機業界等が比較的多い。現在のアクティブクライアントは単独で約150社、トライバルメディアハウス等子会社を含めたグループ全体では300社を超える規模になっている。最大のユーザーはKDDI<9433>でここ数年は毎年10%超の売上構成比となっている。その他の主力顧客としてはLIXILグループ<5938>、伊藤ハム<2284>、スターバックス コーヒー ジャパン<2712>、ニコン<7731>、NEC<6701>、三井不動産<8801>等が挙げられ、大企業が売上の中心を占めていることも同社の特徴となっている。このうち上位顧客20社だけで売上構成比の約70%を占めている。

同社の強みとしては、企画力の高さやマーケティングに対する先進的な感覚を持つ人材が多いという点が挙げられる。また、プロジェクトマネジメント力やシステムの安定性、信頼性等も顧客から高く評価されており、大手企業の顧客が大半を占めていることもそうした実力の裏付けになっていると言える。今後プロジェクトの大規模化の流れが追い風となり、同社のソリューション分野の売上高を押し上げていくことが考えられる。

また、同社では「Social Voice」シリーズや子会社のトライバルメディアハウスの「Engage Manager」等自社開発商品の販売に注力しているほか、第3者の製品ラインアップとして米Responsys社のキャンペーン・マネジメントソフトウェアやアクセス解析ツールとしてGoogle社の「Google Analytics」等の販売・導入支援等も行っている。

自社開発プロダクトにおいては機能の標準化を図っており、中小企業向けの販売を強化することによって、収益基盤の安定化を図ると同時に顧客層並びに事業規模の拡大を目指している。なお、営業部隊は本社に集約しており、総勢で40名ほどの体制となっている。

グループ子会社としてはWebサイトの制作・運用を目的としたネットイヤークラフト(2006年設立)、顧客と共同でデジタルメディアの開発を行うネットイヤーゼロ(2008年完全子会社化)、ソーシャルメディアの分析・コンサルティングを行うトライバルメディアハウス(2009年株式取得により子会社化)、そして2013年8月に株式取得により子会社化した日本技芸の4社となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《NT》

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