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スターティア Research Memo(7):中期成長を支える注目製品・サービスでポテンシャルを拡大
*19:04JST スターティア Research Memo(7):中期成長を支える注目製品・サービスでポテンシャルを拡大
■スターティアの強みを考える
(2)注目製品・サービス
○電子ブック作成ソフト
2006年にスターティア<3393>が投入した電子ブック作成ソフト「ActiBook」は、今では業界の標準ソフトといわれるほどに成長した。現在、小説や漫画をスマホや専用端末で楽しむユーザーが増えつつある。これらは電子書籍といわれる。「ActiBook」が手掛けるのは、電子書籍ではない。企業内のパンフレットやカタログ、あるいは決算短信などのIR資料といったものを電子化するために使われているのが「ActiBook」である。「ActiBook」の主戦場は様々な社内文書を電子化するところである。それだけに市場の規模は無限大と言っていいくらいに大きい。しかし一方で、この市場にはPDFファイルが存在する。「ActiBook」はPDFと比較して優位に立てるのかというのが需要なポイントになってこよう。
「ActiBook」はPDFにはない機能がいろいろあるが、最大の差別化要因は「ログ解析機能」ではないかと思われる。これは、たとえばカタログの電子ブックの読者がどのページにどれくらい滞留していたかなどの情報を取得・分析できる機能である。これにより、どの読者が何に興味を持っているか、カタログのページの順番はどうしたらより効率的になるか、などのデータを蓄積し、より良いカタログへと成長させることが可能になる。他にも、営業マンのプレゼン能力の分析や勤怠管理、あるいは自動営業報告書作成ツールと連動させることで営業マンの時間をより有効に活用するなど、PDFでは不可能な機能を有している。学校が教科書の電子化で採用する例も多いが、まさにこうした機能を買われてのことであろう。
ActiBookの採用実績はこれまで1,000社は軽く超えていると推測される。ActiBookの販売については従業員300人未満という縛りは特に関係ない。販売実績を見ると、印刷・出版業界はもとより、その他の業種においても大手企業での採用実績が多い、という同社の他の製品・サービスにはない特徴が見て取れる。この結果として、電子ブック作成ソフトの領域では、ActiBookが標準の地位を獲得するに至っている。同社のHPによれば売切りの場合の価格が300万円となっているため、この価格が中小企業にとって導入のハードルになる可能性もある。この点については、同社はリース方式の販売メニューも用意しているほか、ActiBookの具体的な活用法と合わせて提案営業を行っており、中小企業への浸透も徐々に進みつつある。
○COCOAR
スマホの利用者には「セカイカメラ」を利用している方も多いはずだ。あのように現実の情報にデジタル技術で作成された情報を付加することで現実認識を強化する技術をAR(Augmented Reality)という。スターティアの「COCOAR(ココアル)」はこのARの作成ツールである。
「COCOAR」導入企業は、「COCOAR」を利用して、ARコンテンツを作成する。コンテンツには写真はもちろん、動画、音楽、Webサイト、電子ブック等幅広いものを活用することができる。たとえば、「ARマーカー」を紙のパンフレットに印刷して配布するとする。パンフレットを受け取った側は、「COCOAR」の無料アプリをダウンロードし、パンフレットにあるARマーカーをカメラでスキャンすれば自動的にARコンテンツが画面上に流れ、紙のパンフレットでは伝えきれない追加的な映像や音楽、文章といった情報を得ることができる。
実は「COCOAR」のような機能は「QRコード」を使ったものが広く実用化されている。しかし、QRコードによるものは制約も多くて使いにくい面があった。これを解決しようとすると、専用にコンテンツやアプリを開発する必要があり、コストが高くついた。「COCOAR」の最大のポイントは、それを汎用化・一般化して安価で供給した点にある。
高い可能性を持ったARを気軽に利用できるという点が賛同を得て、「COCOAR」の販売は順調のようである。価格が「ActiBook」より安価であるため、同社の営業マンにとっては「ActiBook」よりも手掛けやすく、結果的に営業成績押し上げ要因になっているような側面もあるとのことである。中期的には、「ActiBook」と並ぶウェブソリューション関連事業部門の柱となっていくことが期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》
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