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J-オイルミルズ Research Memo(4):原料の大豆や菜種の搾油から精製、販売までを一貫して行う
*18:30JST J-オイルミルズ Research Memo(4):原料の大豆や菜種の搾油から精製、販売までを一貫して行う
■会社概要
(3)事業概要
J-オイルミルズ<2613>の事業セグメントはコア事業の「製油事業」と「その他」で構成され、製油事業が売上高と営業利益の90%以上を稼ぎ出す。主力の製油事業は原料の大豆や菜種の搾油から精製、販売までを一貫して行い、扱う製品によって油脂部門と油糧部門に分けられる。
油脂部門は搾油した食用油脂を「家庭用」や「業務用」に販売するほか、調味料メーカー向け「加工用」及び製菓・製パン素材向け「加工油脂」など、販売チャネル別に4つの製品群に大別される。このうち販売量ベースのチャネル構成比は家庭用25%、業務用45%、加工用25%、加工油脂5%程度と推察される。油脂部門の収益性のキーポイントは、取引先拡大による数量増はもちろんのこと、原料相場の変動を遅滞なく製品価格に反映させた適正マージンの確保、健康志向の高いプレミアム製品や劣化しにくい業務用高機能製品の構成比を高め、高付加価値化で価格競争に巻き込まれにくい製品ポートフォリオの構築、が考えられる。
油糧部門は搾油処理後のミール(油糧)を配合飼料メーカーや味噌・醤油などの醸造メーカー、肥料メーカー向けなどに販売するだけでなく、大豆や菜種などの原料調達資金を捻出する重要な役割を担う。搾油工程ではオイル(食用油脂)とミールが必ず生産され、その大まかな採算性の目安となるのがミールバリューとオイルバリューである。これらは一定量の原料から生産されるミールとオイルの総価額に占めるそれぞれの価格相対比を示し、ミールバリューとオイルバリューの平均的な水準は概ね6:4と推察される。一般的に、ミールバリューが高まれば、競争が厳しいオイル価格に惑わされることなく安定したマージンを確保しやすい。
その他は、大豆由来の素材を活かした健康食品やファイン、大豆たんぱくが出発点の化成品やでん粉由来のスターチ、糖鎖研究から開発されたレクチン製品等のメディカルサイエンスなど、食品から化学まで幅広い製品をカバーしている。その他はまだ事業規模が小さいものの、製油事業とは違い収益性が原料相場の影響を受けにくいことから、安定収益源としての育成が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 馬目俊一郎)《FA》
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