ADワークス Research Memo(6):2回目のライツ・オファリング実施で事業拡大を加速

2013年11月20日 16:54

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記事提供元:フィスコ


*16:54JST ADワークス Research Memo(6):2回目のライツ・オファリング実施で事業拡大を加速

■決算動向

(3)ライツ・オファリングについて

エー・ディー・ワークス<3250>は事業拡大のための資金調達方法として、昨年2012年10月にライツ・オファリングの実施を発表し、約500百万円の資金を調達。不動産市況の好転を背景に、この調達資金を不動産物件を取得する際の原資とし仕入れを強化したことが、第2四半期業績が大きく飛躍した一因ともなった。

ライツ・オファリングを簡単に説明すると、既存株主に対する新株予約権無償割当てによる資金調達(増資)のことで、公募増資と比較して既存株主の株主価値が毀損しにくい資金調達方法と言われており、欧米市場では一般的に利用されている資金調達方法の一種である。日本でも2011年の同社の1度目の実施以降、ライツ・オファリングよる資金調達を行う企業が増えている。既存株主にとっては増資によって発行株式数が増加するが、増加分の新株予約権が無償で割当てられるため、既存株主は同予約権を行使することによって、株主価値の毀損を防ぐことが可能となる。また、新株予約権は一定期間中、株式市場に上場されるため、増資に応じたくない株主は市場で新株予約権を売却することによって、毀損分の対価を得ることが理論上は可能となる。

同社では超低金利が続き、不動産市況の回復基調が続いている現段階において、更なる事業拡大を加速させるため、2013年10月に2回目となるライツ・オファリングの実施を発表した。今回の調達額は手取り額で約2,000百万円と前回の4倍の規模となる。前回との違いは調達額の大きさだけではなく、コミットメント型と呼ばれる方式を採用したことにある。

コミットメント型ライツ・オファリングの最大の特徴は、行使期間内に行使されなかった新株予約権に関して、引受証券会社が行使することを確約している点にある。このため、発行会社は計画通りの資金調達を実施できることになる。その代わりとして、引受証券会社の引受審査を受ける必要がある。引受証券会社は未行使分の新株予約権を引き受けるリスクを負うことから、厳密な審査を行っている。換言すれば、コミットメント型ライツ・オファリングを実施できる会社は、財務状況や今後の収益計画など一定の基準を満たしていることが第三者によって認められたことを意味し、当該審査を経ることは市場からの信頼性の向上に繋がるものとも考えられる。

今回のライツ・オファリングにより調達する2,058百万円の使途としては、販売用収益不動産の取得原資として1,400百万円、収益不動産のバリューアップ資金(改修・修繕工事等)として658百万円を充当する予定となっている。(2013年10月16日公表時点)
同社では1,400百万円の自己資金と銀行からの借入金により、総額9,200百万円の新規収益不動産を2014年4月から2年間で取得する方針としている。

今回の資金調達による収益貢献インパクトを試算すると、仮に取得した収益不動産を全て保有不動産として維持した場合、賃料収入で年間表面利回り8%となる736百万円が見込まれる。これに金融費用(借入金7,800百万円×年2.7%=211百万円)を控除すると、525百万円の収益が生み出されることになる。実効税率を38.0%とすると税引後利益は325百万円となる。投下資本2,058百万円に対して、収益不動産の売却益を除き、賃料収入による利益だけでも325百万円となり、ROEで換算すると15.8%の水準となる。2013年3月期のROEは8.6%の水準であり、今回の資金調達によって、2015年3月期以降、ROEは上昇していくことが見込まれる。

(注)・バリューアップ資金658百万円=取得不動産価格×バリューアップ資金比率7.2%(同社平均値)より算出
・取得不動産9,200百万円は、販売用収益不動産の担保掛目(借入ローンの対購入価格比率)85%から算出
・賃料利回り8%は同社の平均的な利回りを基準としている


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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