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ワールドインテック Research Memo(11):上期は大幅増益を達成、全般好調の中で不動産の増益が突出
*18:14JST ワールドインテック Research Memo(11):上期は大幅増益を達成、全般好調の中で不動産の増益が突出
■業績動向
(1)2013年12月期の第2四半期の累計業績
ワールドインテック<2429>の2013年12月期の第2四半期累計(2013年1-6月期)の業績は、売上高が前年同期比14.7%増の28,922百万円、営業利益が同270.4%増の1,154百万円、経常利益は同271.0%増の1,184百万円、四半期純利益は同411.6%増の524百万円と大幅増益を達成、期初計画の数字をいずれの項目も上回る好調な決算となった。
前年同期比との比較ではすべてのセグメントで増収となったが、なかでも不動産事業、情報通信事業、R&D事業が2ケタ増収となり、全体の牽引役となった。営業利益では、DOT社の子会社化によるのれん費用が発生したR&D事業、不採算店舗の整理を進めた情報通信事業を除いて増益となり、特に不動産事業が大幅増益となった。
期初の会社計画比で見ると、売上高はファクトリー事業、テクノ事業、R&D事業が下回ったが、情報通信事業、不動産事業、その他が好調に推移したことで、全体で上回った。営業利益ではR&D事業のみ計画を下回ったが、これは予算策定時にはDOT社ののれん代を全社費用としていたものを期中にR&D事業に振り替えたことによるもので、それを除けばすべて計画を上回る格好となった。
どちらかといえば保守的に投資を見ていた「情報通信ビジネス」だったが、スマートフォン・携帯電話の販売が好調に推移。九州エリアにおける携帯ショップの淘汰が始まっているようだが、同社のビジネスモデルが勝ち組のモデルとなりつつある。「不動産ビジネス」は2011年、2012年とマンション分譲の入札が厳しかったため、事業用地取得は相対取引に切り替えている。大手と比較しても、まったく遜色のない物件ラインナップとなっている。分譲マンションは来期の売上に貢献すると推定する。セグメント別の詳細については以下の通りである。
○ファクトリー事業の上期業績動向
ファクトリー事業の業績は、売上高が前年同期比3.2%増の8,656百万円、セグメント利益が同137.2%増の313百万円となった。利益率は1.6%から3.6%へと大きく改善した。従来の主力であった半導体業界向けは国内における事業規模縮小の影響を受け減少傾向が続いたものの、スマートフォン関連の電子部品、液晶部材の生産が活況で、電気電子分野の売上が好調に推移した。また、注力分野である物流業界向けの売上高は前年同期比で約2倍増と大幅な増加となった。大手インターネット通販企業向けの取引が拡大した効果が大きい。業種別の売上構成比では半導体の比率が低下し、物流や電気電子などを中心としたその他業種の比率が高くなってきているのが特徴だ。また、半導体依存からの脱却を図るため、新規顧客の開拓を前期から積極的に取り組み、取引企業数が287社から335社へ拡大したことも増収につながった。
利益率の改善においては、ここ2年程度で実施した新規顧客開拓のための投資が増収として実を結んできたことに加え、物流分野を中心に業務請負で外注の活用を積極化し、コスト削減に取り組んできた効果が出たものと思われる。
○テクノ事業の上期業績動向
テクノ事業の業績は、売上高が前年同期比2.5%増の3,002百万円、セグメント利益が同36.7%増の218百万円となった。テクノ事業は半導体メーカー大手を中心に展開してきたが、半導体産業の低迷に伴い、情報通信サービス、自動車関連分野へのシフトを進めるべく、新規顧客開拓に注力している。この結果、半導体業界向けの売上比率は、前々年同期の66.7%から前年同期は61.4%、当第2四半期累計は52.3%と年々減少してきた。一方、取引顧客数は前年同期の176社から227社へと大幅に増加しており、ここでも顧客数開拓の効果がでてきている。また、職種も生産技術から設計開発にシフトするなど、業界、職種の構成が変わってきたことで、利益率も前年同期の5.3%から7.1%へと上昇した。
○R&D事業の上期業績動向
R&D事業の業績は、売上高が前年同期比27.3%増の1,788百万円、セグメント利益が同17.1%減の96百万円となった。このうちDOT社の子会社化による影響は、売上高で249百万円の増加、営業利益はのれん償却の計上により19百万円の減少要因となっている。従って、既存事業ベースでは売上高が約10%増、セグメント利益は微増益だったとみられる。
R&D事業は、現在同社が最も力を入れている分野の1つで、医薬・バイオ系の需要増を背景に、人員の積極採用を進めると同時に、新規顧客の開拓にも注力している。在籍人員数は前年同期の528名から当第2四半期末で651名に、取引顧客数も190社から204社へと拡大した。DOT社とのシナジー効果も出始めており、今後の成長戦略が描きやすくなったと思われる。
○その他の上期業績動向
その他の業績は、売上高が前年同期比8.5%増の2,865百万円、セグメント利益が同43.2%増の160百万円と好調に推移した。伸びの背景には、CB事業の躍進が外せない。通常はファッション業界やアパレル業界に対し、ショップ販売員を派遣するのが一般的だが、同社は専門知識を持ったプロのスタッフを派遣するという付加価値を付けた体制を構築し、CB事業とした。顧客企業からの多種多様なニーズに応えるため、専門のプロ集団を派遣することに加え、迅速な対応を整えることで、ここ数年来、より高い評価を得ている。
○情報通信事業の上期業績動向
情報通信事業の業績は、売上高が前年同期比11.5%増の6,878百万円、セグメント利益が同7.3%減の264百万円となった。スマートフォン・携帯電話の販売台数は同5.9%増の17.3万台と拡大基調を持続した。減益となったのは携帯ショップの統廃合を推進したことや、来店型保険ショップを併設した新店舗を出店するなど、店舗費用が増加した影響が大きい。
機能が携帯電話と比較して複雑なスマートフォンの普及によって、販売員が1人の利用客に充てる説明時間は長くなっており、それだけ利用客の待ち時間も長くなっている。来店した利用客を飽きさせないためにも店舗スペースをある程度確保し、設備を充実させていくことが、競争の激しい同業界で勝ち抜くための条件となる。保険ショップへの取り組みもこうした待ち時間を利用した新たなビジネスチャンスの取り組みとなる。
○不動産事業の上期業績動向
不動産事業の業績は、売上高が前年同期比56.7%増の5,657百万円、セグメント利益が同2,453.9%増の546百万円となった。6月に今期分譲物件の引渡が集中したため、前年同期比の伸び率は大きくなっている。同社の場合、プロジェクトごとの販促費に関しては保守的な観点により、発生主義により引き当てている(通常は物件引渡し時)。事業拡大期においては前倒しで費用が発生することになり、会計上の利益が出にくい収益構造となっているが、事業採算性を考慮した仕入れ活動を展開したこと、また、地域密着型の営業努力が奏功し、販売が順調に進んだことが好調につながった。また、6月に今期分譲物件の引渡が集中したことにより下期は売上、利益とも上期より落ち込むことには留意する必要があろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》
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