【パリ2014春夏=25日】無機質な世界で言葉が描き出す矛盾と混沌=アンダーカバー

2013年9月26日 16:33

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記事提供元:アパレルウェブ

●「アンダーカバー(UNDERCOVER)」

 
(Photo by Yumi Yamane)

 イギリスの女性バンド、サヴェージズの語りで幕を開けた「アンダーカバー(UNDERCOVER)」のランウェイショー。語りの最後の、「SILENCE YOURSELF(サイレンス・ユアセルフ)」という言葉が強い余韻を残していく。「SILENT(静寂)」「LISTEN(傾聴)」、「INSULT(侮辱)」「 SUNLIT(陽光)」、「CHAOS/BALANCE(混沌/バランス)」。トップスやバッグなどで大胆に主張された、アナグラムと相反する言葉を使って打ち出されるメッセージ。感情を失ったかのような無機質な空気感の中で視界に飛び込む言葉は見る者にひときわ強い印象を与え、デザイナー高橋盾が自身の中に抱える矛盾を静かに映し出した。

 ストリートとボンデージが交錯するコレクション。様々な素材を組み合わせる自由さと、ベルトで拘束された上半身、抜け出したいけれど抜け出せない、そんな耐え難い矛盾に溢れた世界感を描き出していた。

●「アツロウ タヤマ(ATSURO TAYAMA)

 
(Photo by Koji Hirano)
 様々なブランドを手がけてきたデザイナー、田山淳朗氏が自身の名前を冠した「アツロウ タヤマ(ATSURO TAYAMA)」。端正なスーツスタイルに鮮やかなカラーをポイントで取り入れたスタイルから始まったショー。衣類の裏地をあえて表に見せるインサイド・アウトを多様なアイテムで取り入れた。また、艶やかな素材で表現されるグラフィカルなプリントは、アール・デコを彷彿とさせる。

 ニットやコットン、オーガンジーなど質感の異なる素材の共演は、清純でいながらも大胆な、しなやかな魅力に溢れた女性像を描き出していた。

●「アレクシス マビーユ(ALEXIS MABILLE)


(Photo by Koji Hirano)

 メンズやオートクチュール、アクセサリーと幅広いデザインを手がける「アレクシス マビーユ(ALEXIS MABILLE)」のランウェイショーは、昨年の春夏シーズンと同じくセーヌ川のほとり、ドックス(docks)で行われた。Bomb Girl (ボム・ガール)をテーマに、第二次世界大戦中、アメリカの工場で働く強い女性をイメージして描かれたアイコン「ロージー・ザ・リベッター」を表現したスタイルを展開した。

 ワークテイストなアイテムの、強さと男性らしいたくましさの中に、透け素材やランジェリーをあえて見せることでのぞかせるセクシュアリティ。オートクチュールを展開しているブランドらしい手の込んだ刺繍やスワロフスキークリスタルの大胆な煌めきを持ったアイテムに、思うがままにワードローブの中から選び出したような無頓着なコーディネートをすることで、自由気ままなおてんば娘の破壊的な魅力を表現した。


ピーチョー+クレイバーグ(PEACHOO+KREJBERG)
(Photo by Koji Hirano)

 また、エレガントなダマスクと多様なフリンジやフリルにゴールドのスパイスで豪奢な自由精神を見せつけた「ドリス・ヴァン・ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」やモノトーンで神秘的な美を造り上げた「ピーチョー+クレイバーグ(PEACHOO+KREJBERG)」などもショーを行った。

■2014春夏パリコレクション特集ページはこちら
http://www.apparel-web.com/collection/2014ss/paris/

(text by Yumi Yamane

 

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