あいホールディングス Research Memo(4):M&Aに対する明確な方針と素早い経営判断が強み

2013年9月24日 18:37

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記事提供元:フィスコ


*18:37JST あいホールディングス Research Memo(4):M&Aに対する明確な方針と素早い経営判断が強み

■会社概要

(3)経営力

あいホールディングス<3076>の最大の強みは「経営力」、つまり代表取締役会長(CEO)である佐々木氏のリーダーシップ、経営手腕である。前述のように同氏は1994年にM&Aによってドッドウエル ビー・エム・エスの経営トップに就いたが、それ以来、常にM&Aを成長戦略の重要施策として掲げてきた。今でこそM&Aを行う企業は増えたが、同氏は30年以上にわたりM&Aを実践してきたわけで、この経験は大きい。しかもM&Aについては明確な方針(例えば、粗利の低い事業は行わない、市場が大きく大企業が参入し易い事業は行わない等)を持っており、この方針は30年前からまったく変わっていない、つまりブレがないのだ。この点がまさに同社の強みであり、M&Aでの成功率を高くしていると言えよう。

その一方で、急成長はしないが確実に利益を生む「堅実な事業」に対する目利きも鋭い。例えば年間利益が200百万円の事業であっても、毎年積み重ねていけば10年で2,000百万円のキャッシュを生むことになり、このような事業(子会社)が5社あれば10,000百万円のキャッシュが生まれる。このような視点に立ち、同社では規模は大きくないが堅実な事業も継続的に行っており、これも同社の強みと言える。

また各種の経営判断が早く、それを素早く実行する点も同社の強みだろう。例えばM&Aや業務提携などはすべてが順調にいくとは限らない。予想に反して内容が悪かった場合も多々あるが、このような場合、同社は躊躇することなく不調な子会社の売却や業務提携の解消に踏み切る。これによってさらなるリスクの増加を回避し、次の投資をし易くするのだ。このような決断、実行が出来るのも佐々木氏の経営方針にブレがなく、強いリーダーシップがあるからだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島昇)《FA》

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