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あいホールディングス Research Memo(8):今期足元は好調な進捗、業績上振れの可能性も
*18:44JST あいホールディングス Research Memo(8):今期足元は好調な進捗、業績上振れの可能性も
■決算動向
(2)2014年6月期予想
進行中の2014年6月期は、表のように売上高35,250百万円(前年比8.8%増)、営業利益5,500百万円(同10.6%増)、経常利益5,530百万円(同8.9%増)、当期純利益3,400百万円(同14.3%増)が予想されている。あいホールディングス<3076>は達成確度の高い数字を予想として発表しており、また足元の出足も好調に推移していることから、この予想が達成される可能性は高く、上方修正の可能性もありそうだ。
会社はセグメント別の売上高、営業利益の詳細予想は公表していないが、主要部門(製品)については、以下のような予想をしている。
・セキュリティ機器
セグメント営業利益は2,675百万円(前期比16.8%増)を予想。その背景は、依然としてマンション向けセキュリティ機器が好調であること。総導入件数は、3,800件(前期比+300件)を見込んでいる。新規獲得数は前期並み予想だが、自社更新分は受注出来る確率が高いので、もし新規獲得数が前年のように予想を上回るようであれば、この部門の売上高、営業利益が上振れする可能性は高い。
・カード機器
セグメント営業利益を620百万円(前期比+50百万円、8.8%増)と予想している。今までは大きな伸びは期待しづらい部門であったが、最近では地方銀行などでキャッシュカード即時発行機の導入が始まっており、今後の動向が注目される。既に大手地方銀行およびクレジットカード会社向けに大口の納入が決定したとの事。
・情報機器
伸びの中心となるのは、引き続きシルエットのコンシューマー向けカッティングマシン。シルエットの売上高、営業利益は、各々前期比で5割を超える増加が見込まれている。コンテンツ会員数が順調に増加していることや、本体販売の増加に伴い消耗品やコンテンツ収益も着実に業績を伸ばしていることから、この予想が達成される可能性は高い。
しかし、グラフテックの営業利益(=情報機器部門および計測機器・環境試験装置部門の営業利益の合計)は、わずか1,100百万円(同9.1%増、92百万円増)しか見込んでいない。主な要因はグラフテックでの研究開発費が700百万円(同250百万円)へ増加するため。この結果、シルエットの増益分を一部帳消しにすると会社は予想している。
・設計事業
設計事業の営業利益は765百万円(同7.0%増)を予想している。需要は国の公共施設の耐震化対策から、法制定に伴い今後は民間の大規模建物の耐震診断へ移行していくものと予想される。しかし、技術者の数は限られているため、急速な伸びは見込んでいない。
主要部門の予想は以上のようであるが、各セグメントとも比較的控えめ、余裕のある予想(前提)のように思われる。同社の予想が確度の高いものであることと合わせると、現在の予想が上振れする可能性は高く、今後の動向(四半期決算)は大いに注目する必要がありそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島昇)《FA》
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