ベネフィット・ワン Research Memo(3):サービス(商品)を仲介するマッチングサービスを展開

2013年9月24日 18:05

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記事提供元:フィスコ


*18:05JST ベネフィット・ワン Research Memo(3):サービス(商品)を仲介するマッチングサービスを展開
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■事業内容

ベネフィット・ワン<2412>の事業は、有料のインターネットサイトを通じてサービスという商品を仲介するマッチングサービスである。ビジネスモデルも至ってシンプルで、売上高は主に会員企業からの会費収入で構成される。経費に関しては、インターネットサイトでの運営という性格上、メーカーに比べれば設備投資などの費用が少なくて済む。そのため、年ごとに大きく変動する恐れも相対的に低い。会員積上型のストックビジネスで売上高が読みやすいことに加え、売上高営業利益率が15%前後で比較的安定しており、利益の予想も比較的立てやすい。

同社を理解するうえで、押さえておかなければならないことは、以下の点である。


(1)会員数

同社の会員数は2004年ジャスダック上場以降、現在に至るまで前年比で常に増加している。

会員が拡大できた理由は、第一に社会構造の変化が挙げられよう。ITバブル崩壊後からリーマンショックまでの景気浮揚期に企業が労働コストを抑えながら優秀な社員確保を実現するための方策として福利厚生の強化とアウトソーシングに動いた時期が重なった。

第二に同社が会員のニーズに対応したサービス提供に努めたことだ。サービスの品揃えの強化のほか、新機軸の事業を開発することで新しい会員獲得に成功した。会員数の増加は同社のスケールメリットを増加させ、サービスを市場価格よりも割安に設定でき、それが会員数の増加をもたらすなど正のスパイラルが加速した格好だ。福利厚生事業の宿泊サービスなどで「ロープライス・ギャランティ(最安値保証)」を導入できていることなどは、その一例であろう。

第三にパソナグループとの連携である。パソナの人材アウトソーシングビジネスの顧客企業への営業が会員数の増加につながった。パソナにとっても、福利厚生とのクロスサービスで人材ビジネスの顧客開拓ができるというメリットがある。


(2)会費

会費は、導入プランや従業員数のレンジなどによって異なる。福利厚生事業では具体的に、以下の表のようになっている。

同様に福利厚生事業では近年、サービス拡充に伴う料金の引き上げを掲げている。月会費/人(1,001名以上の場合)でスタンダードコース(Aコース)は30円up(+8.6%)、ゴールドコース(Bコース)は50円up(+6.3%)の値上げとなり、約10年ぶりの料金改定となった。


(3)補助金

標準補助単価は公表されていない。メニューや契約団体ごとに個々に取り決められる部分もありそうである。また、景気動向によっても変動がある模様で、同社の収益に影響を与える部分もある。

補助金に関しては、会員のうち実際にサービスを利用している人々の割合を示す「ユニークユーザー率(以下、UU率という)」も大きな影響を及ぼす(※2)。UU率は約25%(2013年3月期)と決して高くない。会員数の拡大はもちろんだが、今後はUU率の向上によるアップサイド余地もある。


(4)既存事業と新機軸事業

なお、同社は事業内容をより理解してもらうために、下記のように会員獲得チャネル(会員の属性)や提供サービスの内容などで事業を切り分けて公表している。下記では主な事業を簡単に紹介する。

福利厚生事業は、同社の創業以来の事業で、国内ではトップシェアを持つ。2013年3月期では、福利厚生をアウトソーシングしている東証1部上場企業におけるシェアは45.9%、官公庁でのシェアは53.5%に及ぶ(同社営業総本部調べ)。優秀な人材を確保したい中小事業のニーズも拡大しており、今後も基盤事業として安定した成長が期待できる。サービスメニューはリゾート&トラベル(宿泊、ツアー)、ライフケア(育児、介護、健康管理)、ライフサポート(冠婚葬祭、住宅、自動車購入、引越し)、スポーツ(フィットネス、ゴルフ、テニス、ダイビング)、スクール&カルチャー(資格、語学、OAスクール)、リラクゼーション(マッサージ、エステ)、ビジネス(研修所、社宅管理)レジャー&エンターテイメント(グルメ、遊園地、テーマパーク)、ファイナンス(ローン、保険、資産運用)など多岐にわたる。

福利厚生事業では会員企業の従業員を対象としているのに対し、CRM事業では会員企業の顧客に向けて、福利厚生事業と同様のサービスを提供している。つまり、CRM事業は福利厚生事業のプラットフォームを多重的に活用できている事業といえる。

新機軸の事業は成長のドライブとなる。同社が特に注力しているのが、「インセンティブ事業」「パーソナル事業」「ヘルスケア事業」の3事業である。特にインセンティブ事業は、同社独自のサービスであり、海外での積極的な展開も視野に入れている。

新機軸の事業の成長性の高さは、同社の営業利益に占める各事業の割合ですでにある程度実証されている。2012年3月期は福利厚生事業の割合が89%を占めていたが、2013年3月期には76%となり、2014年3月期には62%になる予想となっている。一方、上記3事業の割合は、2012年3月期は8%、2013年3月期は17%となり、2014年3月期は29%に急拡大すると予想されている。福利厚生事業も拡大を続ける予想だが、それ以上に新機軸の事業が伸びる状況だ。

(※2)UU率とは、全体会員数のうち実際にサービスを利用した会員数が占める割合を指す。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)《FA》

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