3DマトリックスResearch Memo(1):第1四半期は想定線での着地、増資により財務基盤・成長基盤が強化

2013年9月20日 08:43

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記事提供元:フィスコ


*08:43JST 3DマトリックスResearch Memo(1):第1四半期は想定線での着地、増資により財務基盤・成長基盤が強化

スリー・ディー・マトリックス<7777>は、2004年設立のバイオマテリアル(医療用材料)のベンチャー企業。米マサチューセッツ工科大学(MIT)で開発された「自己組織化ペプチド技術」の「独占的・全世界的な事業化権」を保有する。

9月6日付で発表された2014年4月期の第1四半期(5-7月)の連結業績は、売上高が47百万円、営業損益が320百万円の損失となり、ほぼ会社想定線での着地となった。第1四半期では、インドネシア企業と吸収性局所止血材(TDM-621)に関する独占販売権許諾契約を締結し、契約一時金を売上高として計上した。止血材に関しては、国内でPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の審査が継続中となっているが、海外では米国で臨床試験に向けた準備段階に入り、欧州ではCEマーク取得に向けた第三者認証機関による審査段階に入るなど、事業化に向けた取り組みが着実に進んでいる。また、東南アジア地域における販売権契約に関しても、インドネシアに続いて新たな契約交渉が進んでいるもようだ。

2014年4月期の通期業績は売上高4,178百万円、営業利益1,658百万円と期初計画を維持した。国内における止血材の製造販売承認時期が最大の焦点となるが、2013年末までに承認が下りれば、同計画を達成する可能性は高い。一方、歯槽骨再建材(TDM-711)に関しては、米国FDA(米国食品医薬品局)との申請協議がスタートしている。治験データは良好な結果が得られており、2015年4月期中の上市に向けて順調に進んでいると言えよう。

同社は7月に公募増資を行い、2,289百万円を調達した。同調達資金は海外での治験費用を中心とした研究開発費に充当するほか、一部は借入金の返済にも充てている。自己資本比率は前期末の67.3%から84.4%へと上昇し、財務基盤の強化が図られただけでなく、今後の成長に向けた研究開発を早期に広範囲で進めることが可能となったという点で前向きに評価される。


★Check Point
・1Qはインドネシア企業との契約締結で契約一時金を計上
・欧米企業との販売パートナー契約は年度中の締結を目指す
・バイオテクノロジーは安倍政権における成長戦略の主要テーマ


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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