テラ Research Memo(5):樹状細胞ワクチンの医薬品化を積極的に推進

2013年9月18日 18:53

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記事提供元:フィスコ


*18:53JST テラ Research Memo(5):樹状細胞ワクチンの医薬品化を積極的に推進
■成長戦略

(1)医薬品化等の推進

テラ<2191>は「樹状細胞ワクチン療法」での約7,000件の症例実績とエビデンスをもとに、「樹状細胞ワクチン」の医薬品化に向けた取り組みをスタートさせている。具体的には、2013年4月に九州大学と樹状細胞ワクチンの「細胞医薬品」開発に向けた共同研究契約を締結。同大学と共同開発した大量増幅培養技術(特許出願中)を用いた樹状細胞ワクチンの治験薬GMP(Good Manufacturing Practice)(注)に準拠した細胞医薬品製造のためのフィージビリティスタディ(予備試験)を開始している。同培養技術は従来の同社の技術と比較して、同等以上の生物活性を持つ、200倍以上の樹状細胞ワクチンを生成することが可能となっており、細胞培養における生産性が大幅に向上する技術として注目されている。なお、同研究は新エネルギー・産業総合技術機構(NEDO)による、「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」の1つとして採択されている。

同社では、2014年中にも治験申請する予定で、早ければ2014年末からの治験開始を目指している。

また、九州大学との共同研究では、2013年6月に「改良型腹水ろ過濃縮再静注法(KM-CART)施術後における、腹水由来がん細胞の高純度での回収プロセス確立」に関しても発表している(九州大学及び要町病院との共同研究)。KM-CARTとは進行期の消化器がんや卵巣がん患者において高率で合併する腹水を採取し、必要な成分だけを体内に再静注する治療法だ。同研究で、従来は破棄されていた腹水に含まれていたがん細胞の90%以上を回収するプロセスを確立した。回収したがん細胞を「樹状細胞ワクチン療法」のがん抗原として利用することで、治療効果がさらに高まることが期待されている。

(注)治験薬GMPとは
医薬品開発に必要な治験薬を製造する際に、遵守すべき適切な製造管理及び品質管理の方法、ならびに必要な構造設備に係る 事項を定めたもの

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《FA》

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