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コンドーテック Research Memo(7):アンカーボルトの施工に関する新たな商材を開発中
*08:16JST コンドーテック Research Memo(7):アンカーボルトの施工に関する新たな商材を開発中
■成長戦略
コンドーテック<7438>は今後の成長戦略として、復興需要の取り込みを最大のテーマとして掲げている。また、首都圏営業の拡大、鉄構資材事業の成長、鉄道事業、海外事業の育成なども重点強化ポイントとして位置付けている。
首都圏営業の強化に関しては、大手顧客における資材の調達方針がここ数年、本社サイドで集中購買するケースが増えてきたことに対応するもので、2013年7月から新しく東京本社を設置し、大阪本社と2本社制がスタートしている。営業機能も強化しており、アンカーボルト施工部隊を新たに2人配置したほか、海外営業部に1人、技術的な相談に対応するための技術営業人員も1人それぞれ配置し、首都圏での一段の売上高拡大を目指していく方針だ。
また、鉄構資材事業の強化として、アンカーボルトの販売だけでなく、建設現場でのアンカーボルト施工まで請け負うことで、更なる成長を目指していく。施工まで請け負うことで、アンカーボルトの受注拡大のチャンスが広がるだけでなく、基礎工事という建設現場の初期工程から入ることで、そのあとに続く工程で必要となる建設資材の情報などもいち早く掴むことができ、営業に生かすことが可能となるためだ。施工事業を開始するために必要となる免許も2006年に取得し、2013年3月期には481百万円まで事業規模は成長した。
同社では今後更なる成長を目指すべく、アンカーボルト施工に関する新たな商材を開発中だ。実用化すれば、現場での配筋干渉チェックなど煩わしい作業が短縮され、目に見えない経費と時間が削減される。今後の開発動向が注目されよう。同社ではアンカー施工の売上拡大を進め、鉄構資材の市場シェア拡大とともに更なる売上成長が期待される。
鉄道事業に関しては、同社の特許製品でもある角フックボルトを核にして、更なる用途先の開拓を目指している。角フックボルトは1999年に初めて納品して以降、鉄道各社に幅広く採用されており、同社の中でも高収益製品の一つとなっている。鉄道の鉄橋部分の枕木を固定するために用いられるボルトだが、従来の丸型のボルトが振動で緩んでしまうのに対し、同社の角フックボルトは構造上緩みにくくなっている。このため、定期的に実施する点検作業の回数を減らすことが可能となり、鉄道会社にとっては保安点検コストの削減に資する製品として、普及が進んでいった。同社は角フックボルトの実績を足掛かりにして、鉄道で利用されるそのほかの商材を売り込む方針で、鉄道業界向けの更なる売上拡大を目指していく。
更に、同社は円高で様子見姿勢となっていた海外市場に関しても再び強化していく方針を示している。タイやインドネシア、ベトナムといった東南アジア市場においては、ここ数年の経済発展により、需要の拡大が見込めると判断したためだ。2012年11月にタイに現地企業と合弁会社を設立し(出資比率49%)、今後の輸入並びに輸出の強化を進めていく。2014年3月期の売上高は前期比2倍増の339百万円を見込んでおり、今後の成長拡大が期待される。
また、継続的な重点戦略としては新規顧客の開拓が挙げられる。同社では営業マン1人当たり月平均1社の新規顧客を開拓しており、年間売上高でみると約5%が新規顧客の寄与となるなど、成長の原動力ともなっている。今後もこうした新規顧客の開拓を継続していくことで、持続的な売上成長を目指していく。
2010年に子会社化した三和電材の電設資材事業に関しても、子会社化以降、営業拠点を開設した大阪営業所は順調に売上げ実績を積み上げており、今後も営業エリアの拡大やシナジー効果によって成長拡大が見込めよう。
同社では当面の売上高目標として500億円、営業利益率で8%の早期達成を目指している。自社製品比率に関しては25%程度まで引き上げ、利益率の向上を目指す。なお、経営指標としては、従業員一人あたりの生産性を重視している。グラフにみられるように売上高、利益ともにリーマン・ショック以前の水準を上回ってきており、生産性を向上しながら収益を拡大していることがうかがえる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》
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