エスプール Research Memo(2):人材派遣と業務請負で成長、障がい者雇用支援は2010年開始

2013年8月21日 18:40

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記事提供元:フィスコ


*18:40JST エスプール Research Memo(2):人材派遣と業務請負で成長、障がい者雇用支援は2010年開始

■会社概要

(1)会社沿革

エスプール<2471>は1999年12月に人材関連やマーケティング関連のアウトソーシング事業を目的として設立された。「エスプール」という社名の由来はStrategy(戦略)、Solution(解決策)、System(システム)、Staff(人材)の4つのSをPOOL(蓄積)し、顧客企業の課題を解決していきたいという願いから名づけられ、また同時に、spoolという英単語には「糸巻き」や「巻く」という意味もあり、4つのSをノウハウとして、たくさん巻き込んでいきたいという想いも含まれている。

創業者かつ現代表取締役会長兼社長の浦上壮平氏によれば、会社設立のきっかけは同氏が家庭教師の派遣会社で勤務していた1990年代半ば頃に遡る。当時、国内の就職戦線は景気の低迷長期化によって就職氷河期と呼ばれるほど厳しい市場環境にあった。そうした環境下で、就職が適わず大学を卒業後にアルバイトで生計をたてる学生も増加し、同氏が勤務していた家庭教師の派遣会社にもそうした学生が多数登録していた。勤勉で優秀な人材も多く、彼らに対して就職できる道筋を作りたいとの想いが、会社を設立するきっかけになったと言う。

事業のスタート段階では企業に対して、「アウトソーシングを活用した業務改善プロジェクト」の提案営業を行い、5~6人のチーム単位で企業の業務を請け負うといったスタイルで仕事を獲得していった。設立当時はインターネットバブルの時期でインターネットベンチャーが相次いで設立されるなか、これら企業のインキュベーション時における関連業務や、物流センターにおける構内業務や業務改善活動などを主に手掛けていた。

2003年以降、人材派遣業では携帯電話の販促支援やコールセンター業務などへも展開していくことになる。一方、物流センターへの派遣業務に関しては、優秀な人材が育ってきたこともあり、自社で倉庫運営そのものを一括受託する事業(ロジスティクスアウトソーシング)へと展開するなど業績は順調に拡大し、会社設立からわずか7年で売上高5,000百万円規模の会社へと成長した。こうした成長の背景には、顧客ニーズを先取りし、業務改善提案などを用意し続けてきたことに起因するところも大きいと思われる。なお、2006年には、当時の大阪証券取引所「ヘラクレス」(現JASDAQ)へ株式上場も果たしている。

2008年まで順調に成長してきた同社であったが、2008年秋のリーマン・ショックに端を発した世界同時不況で業績は一変することになる。当時は金融業界のみならず、ありとあらゆる産業界が不況の渦に巻き込まれたが、同社もその影響は避けられず、2010年11月期には債務超過に陥るまで業績が悪化した。2008年10月に買収したシステム開発会社のジーアイエム(以下GIM)が、市場環境の悪化で急速に業績を悪化させたことが主因となった。なお、GIMに関しては2011年9月に売却しており、債務超過に関しても1期のみで解消している。

不採算事業を処理する一方で、2010年には新規事業として障がい者雇用支援サービスを開始したほか、顧問派遣サービスやマーチャンダイジングサービス、福島県における除染業務など新規事業も相次いでスタートしている。時代の先を読みながら、事業戦略に生かしていく経営判断のスピードの速さが同社の特徴の1つである。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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