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エスプール Research Memo(5):障がい者雇用支援が企業の雇用対策として脚光を浴びる
*18:42JST エスプール Research Memo(5):障がい者雇用支援が企業の雇用対策として脚光を浴びる
■業績動向
(2)本格的に立ち上がる障がい者雇用支援サービス
2010年から事業を開始した障がい者雇用支援サービスが、ここにきて脚光を浴びている。前述したように企業の障がい者雇用対策には打ってつけのソリューションサービスとなっているためだ。2013年4月に企業の障がい者雇用率が1.8%から2.0%に引き上げられたことも、その動きに拍車をかけているとみられる。
エスプール<2471>の同事業の現段階での収入モデルを簡単に示すと表の通りとなっている。契約企業は区割りで販売される養液栽培設備の費用(約150万円/レーン)を支払うほか、月々の維持費用となる月額管理料(約3万円/レーン)を支払うことになる。なお、養液栽培とは植物の成長に必要な養水分を液肥として与え、土を用いない栽培方法のことで、比較的簡単な作業で栽培を行えるといった特徴がある。また、ビニールハウス栽培なので天候にも左右されない。現在はホウレンソウなど野菜を栽培しており、収穫した野菜は企業が社内で消費する、あるいは外食企業やホテルなどでは自社の販売メニューに取り入れると言った使われ方をしている。
また、障がい者の人材紹介も行っているが、障がい者の雇用に困っている企業も多く好評を得ているようだ。紹介料が1名当たり約50万円と他の紹介会社と比較して安い水準であることも1つの要因となっているとみられる。
障がい者雇用支援サービスの2013年11月期の売上高計画は期末までに全レーンが完売されることを前提に前期比84%増の123百万円と見込んでいたが、既に第2四半期までで全レーンを完売したことで、月額利用料分が若干の上積みとなる。加えて、引き合いが活発化していることから同社では新たに土地を取得、新農園の増設に着手した。2013年10月の完成・販売を予定しており、順調にいけば更なる売上高の上積みも期待される。
現在の契約企業数は13社で大手自動車メーカーを筆頭に、ホテル、飲食業やIT企業まで幅広い業種にわたっており、そのうち約3分の1が上場企業で占められている。力仕事がほとんどない養液栽培は障がい者にとっても馴染みやすく、事務作業などと比べても定着率は高いという実績も出ているだけに、今後も養液栽培を活用した障がい者雇用対策が活発化していく公算は大きい。
一方、障がい者就職支援施設のほうも、足元では既に定員に達したことから、2013年11月期中に新たに2施設(市川市、茂原市)の開設を予定している。定員数は約25名で現状と同水準になる。これら施設も早晩定員が充足することが予想される。
同社は同サービスに関して当面は千葉県内での展開を進めていく予定だ。同サービスにおいては地域の障がい者養護施設とのネットワークづくりも重要であるだけに、着実にエリア展開を進めていく方針だが、将来的には首都圏、全国へとエリア展開を徐々に広げていく意向だ。
同サービスにおいてはビジネスモデルの独自性が高く、参入までに時間がかかること(同社の場合、関連施設との関係づくりに2年かかった)、養液栽培農業や障がい者雇用に関するノウハウを既に蓄積していること、競合となる企業がまだでてきていないこと、などから当面は高い収益性を維持することが可能だと弊社ではみている。また、就職支援施設の事業においても既に農園を利用する企業が増え始めており、これらの企業へ就職できる可能性が高いこと、また職業訓練と就職後の職場環境が同じであるため、安心して就職できることから、貸農園事業の拡大と歩調を合わせる格好で、成長していくものとみられる。
厚生労働省の調べによると、2012年度の民間企業における障がい者雇用者数は全国で382千人となり、年々増加傾向となっているものの、雇用率は1.69%と法定雇用率を下回っている状況が続いている。2013年度からは法改正によって雇用率が1.8%から2.0%に引き上げられたほか、対象となる事業所も従業員数が56名以上から50名以上に引き下げられるなど対象範囲が拡大されている。法定雇用率を達成している企業の割合は2012年度で46.8%となっており、障がい者雇用に対する意識はまだまだ低いのが現状である。同社の障がい者雇用支援サービス事業の成長ポテンシャルもそれだけ高いと言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》
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