タマホーム Research Memo(13):国内は中期的、海外は長期的な成長戦略という位置づけ

2013年8月7日 19:05

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記事提供元:フィスコ


*19:05JST タマホーム Research Memo(13):国内は中期的、海外は長期的な成長戦略という位置づけ

■成長戦略と今後の展望

(1)成長戦略

タマホーム<1419>の成長戦略は、国内事業と海外事業の拡大の2本柱である。国内事業は中期的な成長戦略の要となる。戸建て住宅シェアの拡大、リフォームなど住宅建築以外の住宅事業およびその他の周辺事業の伸張、フィービジネスの育成などが挙げられる。海外事業は長期的な成長戦略という位置付けで、東南アジア市場の開拓と米国市場への進出となっている。既存事業のシェア拡大、1顧客あたりの収益拡大、地理的拡大を図る方針だ。以下に個々の成長戦略について説明する。


(a)戸建て住宅の拡大

国内の成長戦略の要になる。同社は業界では後発にあたるため、都市部を中心に依然として空白エリアがあること、すでに触れたように大手でも国内販売戸数の約2割のシェアであることから、拡大余地が十分にあると考えられる。

地域では特に首都圏市場の拡大を図る。同社の創業地が福岡県であるうえ、東日本では関東を飛び越えて東北地方の市場開拓に今まで力を入れていたため、首都圏市場は空白エリアが多い。空白エリアが首都圏というのは、同社のシェア拡大余地がさらに大きいということに他ならない。

また、総合展示場への出店にも注力する。後発の同社は総合展示場への出店で出遅れている。しかし、大手9社といわれるまでに実力を備えたうえに上場も果たしたこともあり、計画では現在の60ヶ所から首都圏を含めて5~6年後に200ヶ所への出店を目指している。同社の価格競争力を考えると、総合展示場で他社製品と直接比較できるようになれば、勝算は十分に見込めそうである。

また、土地を持たない顧客への対策、首都圏を中心とした大都市圏でのシェア向上を目指して、住宅建築に適した優良な土地を選んで購入し、住宅とセットで販売もしていく。ただ、土地の取得は「持たざる経営」を行っている同社としてはリスクにもなりかねない。そのため、急激に投資するのではなく、慎重に吟味しながら拡大を図っていく。


(b)リフォームなど住宅建築以外の住宅事業およびその他の周辺事業の伸張

戸建て住宅のシェア拡大に伴い、住宅建築以外の住宅事業およびその他の周辺事業も伸ばす。具体的には、リフォーム、金融事業、地盤保証サービスなどの周辺事業、集合住宅・マンションへの水平展開である。

特にリフォームはこれから“収穫期”を迎えることが期待される。住宅は建築から10~15年でリフォーム時期を迎える。同社の創業時期から逆算すると、今後、手掛けた住宅が順次リフォーム時期を迎える。環境配慮型のリフォーム専用商材なども拡充する。同社の販売戸数は累計で7万棟、リフォームは1棟当たり200~300万円程度の売上高が見込めることから、リフォームの獲得動向次第では収益を下支えする状況も想定し得る。

その他の事業も、集合住宅・マンションへの水平展開以外は、戸建て住宅の建設に付随するサービスであるため、戸建て住宅のシェア拡大に比例して収益が拡大していくことが見込まれる。また、集合住宅・マンションに関しても、同社は戸建て住宅の伸びと比例するかたちでの収益拡大を目指していく方針である。


(c)フィービジネスの拡大

国内の新規事業という位置付けになる。長期にわたり安定した収入が得られるフィービジネスを育成し、事業基盤を強化する。既に着手しているのが、サブリース事業とオンライン事業である。

サブリース事業は、オフィスビルなどを丸ごともしくはフロア単位で借り受けて転貸する事業である。足元では10棟だが、中期的には年間2~3棟程度のペースで拡大していく。

オンライン事業は、ウェブ上で住宅購入希望者への提案や、工務店支援などを行うサービスである。収益に貢献するのは先となろうが、オンライン事業で鎌倉市に本社を持つウェブ制作会社のカヤックと共同出資会社「SuMika」(タマホーム90%出資)を設立し、長期的な視点から事業を育成していく。

両事業とも現在は収益に与える影響は小さいが、高い利益率が見込める。また、ビジネスモデルとしては大きなリスクがない。成長すれば、同社の収益を大きく上振れさせる事業になる可能性がある。


(d)海外戦略

住宅建築における国内シェアの拡大は同社にとって最重要戦略だが、国内市場そのものは人口減少に伴い、縮小していかざるを得ないと予想される。そのため、同社は中長期的な視点から海外での住宅建築事業を育成していく。

まず、ターゲットになるのは、人口増加と経済成長が見込める東南アジアである。すでにシンガポールに現地法人を設立し、東南アジア市場開拓の橋頭堡としている。9月にはカンボジアでアパートが竣工する予定である。

東南アジアは国によって戸建て住宅には様々な規制がある。そのため、同社ではアパートやマンションといった集合住宅、ホテルなどの建設を進めていく。

今後は、ベトナムやインドネシア市場へ拡大を図っていく。また、同社の創業のきっかけを作った米国市場へも乗り出していく計画である。

海外は日本よりも資材費や人件費がさらに安いことなどから、高い利益率が期待できる。

海外事業はスタートしたばかりであるが、長期的には国内事業と海外事業の売上高を同額にする計画である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)《FA》

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