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タマホーム Research Memo(8):効率化と標準化の徹底でコスト削減し利益を確保
*18:59JST タマホーム Research Memo(8):効率化と標準化の徹底でコスト削減し利益を確保
■会社概要
(7)高品質低価格を実現できる理由
タマホーム<1419>以外の住宅メーカーは、電力やガス料金と同じ総括原価方式を採用している。これは原材料費や人件費を積み重ね、それに利益を乗せて販売価格にする方式である。一方、同社では、あらかじめ価格を決めたうえで徹底した効率化によるコスト削減で利益を確保する。同社が低価格を実現できる根本的な理由はこの値決めの違いにある。
具体的なコスト削減策は、問い合わせから竣工までのすべての工程で行われている。一言でいえば、効率化と標準化の徹底である。具体的には、次のようなものである。
(a)営業担当者が見積もりや設計もできるシステム
通常、注文住宅では、問い合わせ対応から正式契約までに営業担当者のほか、見積もりの作成や基本設計をそれぞれ行う設計士のほか、インテリアコーディネーターやローン担当者など複数の部署や専門の人員が必要である。しかし同社では、これらの作業を営業担当者が行う。専門家でなくてもこれらの作業ができる独自開発のシステムを導入することによって、これが可能になっている。
これにより人件費の抑制はもちろん、正式契約までを1人の人間が行うことで作業も迅速に進められることから、営業1人当たりの受注件数が他の住宅メーカーに比べて1.5~2.0倍になるというメリットもある。
(b)施工面でのコスト削減
施工面でのコスト削減は、材料費と人件費に分けられる。材料費では、資材の標準化を徹底し、都度仕入れを可能とすることで在庫リスクの低減を図っている。大量仕入れによる単価引下げも実現できる。大量仕入れについては、同社のスケールメリットを活かした資材調達が好循環を生んでいることは言うまでもない。ちなみに設立当初はこのスケールメリットがなかったため、納入価格を下げてもらおうと建材や設備メーカーのトップに同社の理念を伝え、直接取引を実現してきたという。
人件費の面では、施工手順の標準化によってコスト削減が可能になっている。他の住宅メーカーの場合は工務担当の下に現場管理会社を置き、管理会社が工事を行う業者を束ねて実際の建設を行う。しかし、施工手順の標準化を実現した同社の場合は現場管理会社を必要としない。施工手順が標準化されているため、その手順に従えば、どんな工事業者でもまとめ役なしで工事を行うことができるからである。
これは、資材の標準化と同じく、人材の標準化ともいえる。特殊な技術を必要としないので、人材が相対的に確保しやすく、決まった手順に従うだけで工事が進むので工期短縮も可能になり、総人件費を抑制できる。また、全国どの工事業者でも使うことができるため、資材の場合と同じく、社内に工事を行う部隊が必要なくなる。
このようにモノ・ヒトの両面で徹底した標準化を他の住宅メーカーが真似することは事実上、既に不可能だろう。なぜならば、従来のビジネスモデルを完全に解消し、再度、構築し直さなければならず、営業社員の再教育、設計理念の変更、保有する資材や倉庫、工事部隊の廃棄を最低限行わなければならない。また、新規に立ち上げたとしても、スケールメリットの面で見劣りすることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)《FA》
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