コニシ Research Memo(10):ボンド事業を中心に収益拡大、2期連続で最高益更新を見込む

2013年7月31日 18:41

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記事提供元:フィスコ


*18:41JST コニシ Research Memo(10):ボンド事業を中心に収益拡大、2期連続で最高益更新を見込む

■決算動向

(3)2014年3月期の見通し

2014年3月期におけるコニシ<4956>の業績見通しは、売上高が前期比6.3%増の111,400百万円、営業利益が同10.6%増の5,950百万円、経常利益が同11.5%増の5,980百万円、当期純利益が同8.6%増の3,350百万円となり2期連続での最高益更新を見込んでいる。

震災復興需要や金融緩和を背景とした住宅・建設需要の高まりを背景に、市場環境は良好に推移する見通しで、主力のボンド事業を中心に収益拡大が見込まれる。ボンド事業では前期の流れを引き継ぎ、既存のビル・マンションなどストック市場における補修・改修及び耐震化工事の需要増が見込まれるほか、消費税引き上げ前の駆け込み需要で住宅着工件数の増加も予想される。また、高速道路や橋梁、鉄道、トンネルなど社会インフラの老朽化も進んでおり、同分野における補修・補強需要の増加も見込めよう。原材料高や工事現場における職人不足が懸念材料ではあるものの、今期は売上高で前期比7.9%増の53,800百万円、営業利益で同12.6%増の5,010百万円と成長が一段と加速する見込みだ。

コニシ単独ベースの営業利益では前期比14.5%増の3,590百万円(前期比455百万円増)を見込んでいる。減益要因として、原材料価格の上昇(ナフサ価格63,000円/kg前提)によるコスト増247百万円、販管費の増加523百万円(人件費90百万円、償却費増160百万円、広告費増80百万円等)を見込んでいる一方で、販売数量増効果904百万円、工場の合理化効果321百万円などを増益要因として見込んでいる。なお、主要原材料となるナフサ価格に関しては、仮に前提価格よりも上昇したとしても、現在は買い手市場の業界環境にあるため、仕入価格の一段の上昇に直結する可能性は低いと同社ではみている。

化成品事業に関しては、売上高が前期比4.8%増の49,200百万円、営業利益が同6.0%増の460百万円を見込んでいる。為替の円安基調を背景に主力の自動車業界向けを中心として需要拡大を見込んでいる。

その他事業に関しては、売上高が前期比5.9%増の8,400百万円、営業利益が同2.7%減の480百万円と見込んでいる。既存建築物のストック市場における補修・改修需要、社会インフラの維持改修需要の拡大が引き続き見込まれる。営業利益に関しては工事請負事業における人件費の増加などが見込まれるものの、やや保守的な印象を受ける。

なお、2014年3月期の設備投資計画は2,300百万円と高水準の投資が続く見通しだ。同社では「強い生産体制、強い物流体制の構築」をスローガンに2012年3月期以降、ボンド事業における生産能力増強・更新投資や物流倉庫の建設・増床投資などを、メイン工場である滋賀工場や栃木工場を中心に実施している。2014年3月期においても、栃木工場において建設用に需要が拡大している弾性接着剤の生産能力増強投資を行うほか、中国子会社(科陽精細化工)で離型剤(※1)の生産ラインを新たに導入する。弾性接着剤に関しては投資額800百万円をかけて、年産能力を2,000トンから4,000トンへ倍増する。稼働時期は2014年2月頃となる見通し。

一方、離型剤に関しては従来、日本から現地の日系自動車電装品メーカーへ輸出していたものを、現地生産にシフトするものだ。投資額は40百万円で、月産能力20~50トンの生産設備を構築、2013年秋頃の稼働を目指す。現地に生産ラインを構築することで、従来の日系企業向けだけでなく、中国ローカル企業向けへの販売拡大を目指していく方針だ。

また、物流拠点に関しても栃木物流センターの増床を行うほか、西日本の新たな物流拠点となる滋賀物流センターの建設も着工し、2015年3月期の後半にも稼働する予定となっている(投資額800百万円)。従来は、東西の物流拠点とも他社の倉庫を借りて運営していたが、自社で物流拠点を設けることで、内製化によるコストダウンや在庫管理が精緻にできるようになり、ジャスト・イン・タイム体制の構築に加えて、製品のトレーサビリティー(※2)への対応も可能にした。トレーサビリティーに関しては、特に自動車業界やエレクトロニクス業界では、必須条件としている企業が多く、同システムへの対応を実現したことで、今後これら業界への進出も積極化していく方針だ。なお、栃木物流センターは2012年10月から稼働しているが、2014年3月期においては100百万円の物流コスト削減効果が期待できるとしている。

また、2015年3月期の設備投資計画は1,400百万円、減価償却費は1,490百万円を見込んでいる。設備投資の水準としては今期、減価償却費に関しては来期でピークアウトする見通しだ。

なお、同社は社内の基幹情報システムを2012年10月にSAPに全面切り替えを実施している。従来はオフコンによって、生産管理や物流管理、販売管理などそれぞれ違うシステムで運用してきたが、SAPに切り替えたことで、受注から生産計画、在庫管理、物流、販売(決済)までを共通のシステムで運用できるようになり、合理化効果が期待される。

(※1)離型剤:自動車の内装に用いられる樹脂成型品の生産ラインで用いられる。金型から成型品を剥離する際に用いる油性の材料。

(※2)トレーサビリティー:物品の流通経路について、生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態のこと。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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