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東京都民銀行 Research Memo(8):医療・福祉事業は年率2ケタペースでの成長拡大を見込む
*18:49JST 東京都民銀行 Research Memo(8):医療・福祉事業は年率2ケタペースでの成長拡大を見込む
■中期経営計画
(1)現場力の強化
まず、現場力の強化としては、「提案型営業の強化」「成長分野への取り組み推進」「営業チャネルの拡充」をテーマに掲げている。
a)提案型営業の強化
近年、中小企業の資金需要が細るなかで、新たなニーズとして増えてきているのが、事業承継やM&Aなどのコンサルティング、また、相続・遺言対策、経営改善支援などに関する相談などだ。こうしたニーズに対応するため、東京都民銀行<8339>では営業推進部情報開発室を営業開発部に昇格させると同時に、事業承継や事業再生等をファイナンス等により支援するために事業ファイナンス室を新たに設置し、社内組織の強化を進めた。また、2010年以降に取り組み始めた展示・商談会の開催も、既存顧客のビジネスマッチングの場としてだけでなく、新規顧客開拓の場にもつながっており、今後も積極的に取り組んでいく方針だ。
b)成長分野への取り組み推進
少子高齢化が進む中で、同行では今後の成長分野として「医療・福祉事業」を位置づけ、10年ほど前に本店営業第4部として専門の営業体制を組織化した。2011年6月には「医療・福祉事業部」として独立した組織となり、現在は12、13名のスタッフ全員が「医療経営士3級」の資格を有するなど、業界の中では「医療・福祉」分野における高い専門知識と審査能力を持った銀行として、ブランド力を確立している。
医療分野においては購入する医療器材が高額となるケースが多く、経営内容も専門的な事柄が多いことから、融資審査も特別のノウハウが必要となってくる。同行では栃木の国際医療大学と提携し、審査ノウハウの吸収や専門人員の育成を行っているほか、東京都病院協会と全日本病院協会に賛助会員として加入するなど、継続的な情報蓄積にも努めている。
融資商品としても、期間最長25年の「メディカルサポートロング」をはじめとする専門融資商品をラインナップしている。こうした取り組みの効果もあって、医療・福祉事業部における貸出金残高並びに、貸出先数はここ数年で順調に拡大しており、今後も年率2ケタペースでの成長拡大を見込んでいる。
また、海外市場での取り組みとしては、中国・上海に地銀としては唯一のコンサルティング専門子会社を2009年に設立、現地での日系企業に対する様々なコンサルティングニーズに対応している。また、同行の顧客となる中小企業のアジア地域への進出が年々増加する中で、中国だけでなく、タイやインド、インドネシアなどの地場大手銀行と業務提携し、現地でのコンサルティングなどに対応しているほか、新規取引先の開拓も推進している。現地での銀行業務は行わないため、融資等の案件などは全て国内で行うことになる。
c)営業チャネルの拡充
営業チャネルの拡充施策としては、「法人新規専門チーム」拠点を本店営業部、新宿、神田、五反田、横浜各支店の計5拠点設置したほか、渋谷、池袋支店を法人営業強化店舗とするなど法人営業の強化を継続し、法人新規獲得件数の拡大を目指していく方針だ。また、金融商品や個人ローン等の個人向け営業に関しても、世田谷、学芸大学駅前、九品仏の3支店を「個人営業強化店舗」として位置付け、営業人員の増強を図るほか、ローンプラザ調布を新設する予定となっており、住宅ローンの積み上げも強化していく。そのほかにも店舗空白地帯となっている京王線沿線エリアに関して、戦略的出店の検討段階に入るなど営業チャネルの拡充を進めていく方針だ。京王線に関しては、21駅の構内にATMを26台設置していることもあり、利便性向上に向けた環境整備は着実に進んでいると言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》
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