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東京都民銀行 Research Memo(6):アベノミクスの成長戦略で資金需要が上向く見通し
*18:46JST 東京都民銀行 Research Memo(6):アベノミクスの成長戦略で資金需要が上向く見通し
■決算動向
(2)2014年3月期見通しについて
2014年3月期の連結業績は、経常収益が前期比0.1%増の470億円、経常利益は同45.7%増の48億円、当期純利益は同16.4%増の30億円となる見通しだ。前述したように、業務粗利益に関しては、資金利益が前期比2億円増の308億円と増加に転じるほか、非金利収支が同21億円増の82億円となることで、同6.1%増の390億円を見込んでいる。
貸出金残高に関しては前期比3.6%増の1兆8,510億円を計画している。アベノミクスの成長戦略によって、低迷が続いた国内景気にもようやく明るさが見え始め、東京都民銀行<8339>の主要顧客となる中小企業の事業活動も今下期以降にその効果が顕在化してくるとみられ、資金需要が上向いてくるとみている。同行では注力している「医療・福祉分野」のほか、独自技術を持った中小企業などへの貸出金を増強していくほか、個人向けに関しても住宅ローンを中心に貸出金の拡大を進めていく方針だ。
また、顧客の利便性向上に向けた取り組みとして、ATM提携サービスがある。現在、首都圏の地銀9行とATM無料引出しサービス(平日日中のみ)を相互に行っているが、今6月より福島県が地盤の東邦銀行とも同様のサービスをスタートさせた。さらに、2013年7月にはイーネットやローソンATMとの提携サービスを開始し、コンビニエンスストア等のATMでのサービスが拡大され、首都圏内における提携ATMは17,000ヶ所以上に拡大し、顧客の利便性が格段に向上することになることも、新規顧客の開拓に当たっては追い風となろう。
その他、2013年6月にオリエントコーポレーションと無担保ローンの保証業務で提携した。対象ローンは「マイカーローン」「教育ローン」「リフォームローン」「フリーローン」の4つで、自行では融資に応じられなかった案件に関して、オリエントコーポレーションで2次審査を行い、審査基準を満たせば融資を行うスキームとなっている。金額的にはさほど大きくないものの、少なからず個人ローン残高の積み上げには寄与する見通しだ。
一方、経費に関しては店舗の業務効率化を継続していくことで、物件費の抑制を進めることで前期比2億円減の300億円を見込んでいる。また、与信費用に関してもDDS(Debt Debt Swap)・再生ファンド等を活用し、債権区分の改善や事業再生を進めていくことで不良債権を圧縮していく方針だ。再生ファンドに関しては2013年1月に「とうきょう中小企業支援ファンド」を中小企業基盤整備機構及び、地域金融機関等11社と共同で組成している。ファンドの規模は25億円で、中小企業基盤整備機構が半分の12.5億円を拠出、とみん銀行は2番目に多い6億円を拠出した。主に東京都内の中小企業の再生を支援する目的で組成されたが、支援先としては債権者が多数混在しており、調整の難しい事業会社が中心となる。TKC東京中央会や中小企業再生支援協議会等との連携により、取引先の経営改善計画の策定や事業再生への取り組みを強化していくことで、与信費用の削減に努めていく。
なお、株主還元策としては当面は安定配当を基準として考えている。1株当たり年間配当金は2014年3月期も15円を予定しているが、配当利回りや利益水準などを基準にしながら、いずれは増配も目指したい考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》
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